浦和のマチェイ・スコルジャ監督が25日、アウェーの東京V戦(27日・味スタ)に向けた会見を行い、3試合連続無得点に陥っているチームの現状を明かした。ここ3試合はG大阪、鹿島にともに0―1で敗れて優勝争いから遠ざかり、前節は清水に0―0のスコアレスドロー。
ここ2試合は試合内容では圧倒しており、指揮官が目指してきた前線からの守備で高い位置でボールを奪い、相手ゴールに迫るサッカーを展開している。鹿島戦で負傷したFW小森飛絢は数週間単位で離脱する見込みだが、新加入のFWキーセテリンは初先発した清水戦で5本のシュートを放ち、そのシュートパターンの多さを見せた。しかしリーグ戦3試合で無得点と、わずかな精度が足りずにネットを揺らせずにいる。
「これまでゾーン3(相手ゴール前)でのプレーがあまり得意ではなかったと言えますが、最近は裏に抜ける動きも増え、じれずにプレーすることができている。また攻撃から守備への切り替えの練習をかなり行っていますが、そこでしっかりとマリウス(ホイブラーテン)、ダニーロ(ボザ)がラインを押し上げながらチームをコンパクトに保つことができ、より高い位置、相手陣内でボールを奪う回数が増えている。個別で言えば、(渡辺)凌磨の復帰は大きな出来事でしたし、イサーク(キーセテリン)は前節、非常に自分の役割をしっかりやってくれた。今後、連携も深まってくれば」
相手陣内でボールを奪い、チャンスを数多くスタイルは、指揮官が母国ポーランドのレフポズナンでリーグ制覇を果たした際のスタイルでもあるという。しかし3試合ゴールが割れていない、という事実について「これは練習によるところもある。あとは姿勢の問題。
また鹿島戦で決勝点に直結するパスミスを犯した元日本代表GK西川周作を、清水戦でも引き続き起用した理由についても説明した。「私は周作を信用していますし、今でも浦和のナンバーワンGKだと思っています。鹿島戦では確かにミスを犯しました。しかし後半にセーブもありましたし、失点の後に得点をするための十分な時間もあった。彼のミスのせいで負けた試合ではなかった、と私は思っています。ここで彼を変えれば、彼のせいで負けた、というメッセージになってしまう。私は信頼して起用しようと思いました」。鹿島戦後には西川を監督室に呼び「改善すべき点の話もしましたし、彼に人間として、選手として、GKとして、そしてロッカールームの仲間として何を期待しているか話した」と明かした指揮官。またセカンドGKの牲川歩見に残りシーズンでチャンスを与える可能性も示唆し、GK入れ替えも検討していることを明かしていた。