◆テニス ▽木下グループ・ジャパン・オープン第4日(27日、東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園)

 7日に閉幕した全米で、車いすテニスシングルス史上3人目のゴールデンスラム(4大大会全制覇とパラリンピック金メダル)の快挙を達成した世界王者の小田凱人(東海理化)が、凱旋試合の男子シングルス1回戦で、世界ランキング48位の城(たち)智哉(森六)に6-0、6-0のわずか50分、17ポイントしか落とさない圧勝劇だった。

 相手が萎縮するほどの強さだった。

マッチポイントを決めると、勝って当然というように、昔、練習をともにした城とがっちり握手だ。「1年ぶりに帰ってきて、試合前からわくわくしていた。楽しく試合ができたかな」。

 相手が、1ゲームを奪えそうなチャンスも1度だけ。やりとりした合計70ポイントの内、小田は8割近い53ポイントを奪い、城にテニスをさせなかった。試合後は、観客席にサインボールを打ち込むファンサービス。多くの観客が殺到した。

 有明では22年大会決勝で、今年の大会ディレクターを務める国枝慎吾氏(ユニクロ)と、世代交代の約2時間半の死闘を戦った。敗れたものの残り2点で勝利まで近づいた。国枝さんは翌年に引退。この名勝負が、小田にとって最後の対戦となった思い出の舞台だ。

 その地で現在、2連覇中だ。

今年の大会は、世界の強豪が参加せず、小田の独壇場が予想される。その中、「予想を超えることをやってみたい」と、数少ない日本での試合で、観客の度肝を抜くプレーを見せることを宣言だ。

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