バレーボールの国内最高峰の大同生命SVリーグ女子で昨季準優勝のNECレッドロケッツ川崎(NEC川崎)が27日、ホームタウン川崎市のショッピングモールのルフロン川崎1階イベントスペースで「LIFT OFF!発射式」と題した壮行会を開いた。1000人近くのファンや通りすがりの市民が選手を一目見ようと集まり、大盛況となった。

 日本代表でも大活躍したエース・佐藤淑乃は、昨年比3~4倍の大観衆を見渡すと、表情が引き締まった。「去年よりすごく見に来てくださる方が多かった。会場にも皆さんは来てくれると思うので、すごい気合が入ります」。登場シーンもサプライズ。ユニホーム姿でレッドカーペットをクールに歩いて登場すると、会場は大歓声に包まれた。

 事前に同学年の和田由紀子や佐々木遥子と打ち合わせたというバレーボールを題材にした人気漫画「ハイキュー!!」に出てくる「1本、ナイッサー(ナイスサーブ)!!」ポーズを披露すると照れ笑いを浮かべた。これには名前入りのタオルや「よしの♡」と書かれた手作りうちわを手にしたクルー(ファンの呼び名)も大喜びだった。

 ルーキーだった昨季は、レギュラーシーズン(RS)で日本人最多895得点をたたき出し、新人賞とベスト6の個人タイトルに輝いた。RS2位でチャンピオンシップに進んだが、決勝で大阪MVに敗戦。佐藤はエースとして勝利に導けず、悔し涙を流した。リーグのない期間は日本代表の攻撃の軸に成長し、世界選手権、ネーションズリーグでともに4位。大躍進してチームに帰ってきた。

「海外を相手に試合に出続けるのが初めてで、たくさん試合を経験させていただきました。楽しいシーズンを過ごせた」とたくましい表情を見せた。

 NEC川崎の開幕は、10月11日にホームの東急ドレッセとどろきアリーナ(神奈川県)。チームスタッフによると観戦チケットもほとんどが売り切れているという。昨季の悔しさをぶつける新シーズンへ「チームが優勝するために自分がチームを引っ張っていける存在になっていきます。誰よりも得点を取る意識を常に持ってやっていきたいです」と佐藤は決意。世界の舞台で成長したエースが、今季こそチームを頂点に導く。

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