◆大相撲 ▽秋場所14日目(27日、東京・両国国技館)
豊昇龍が横綱初優勝へ望みをつないだ。単独首位の横綱・大の里が、大関・琴桜の休場による不戦勝で13勝目を挙げた後の結びの一番。
誰が琴桜の休場を予想しただろうか。誰が豊昇龍の立ち合いの変化を予想しただろうか。私の“斜め45度”の視点を超える出来事が残り2日に起こった。
豊昇龍の心情は理解できる。なんとしても勝って千秋楽につなげたいという気持ちが、横綱らしくない立ち合いの変化につながった。本来なら真っ向勝負で若隆景を蹴散らして大の里にぶつかってほしかった。問題は勝負がついた時の館内の一瞬の静寂と、お客さんの冷めた雰囲気を横綱としてどう受け止めるかだ。
勢いは大の里だと思っていた。