女優・藤山直美が1日、南座錦秋公演「松竹上方喜劇まつり」(11月1~24日、京都・南座)の取材会を大阪市中央区のホテルニューオータニ大阪で開催し、前日の9月30日に阪神・原口文仁内野手の引退会見を見て涙したことを明かした。
最近の「推し」について問われた直美は「普通に野球が好き。
「あの人、私の2年後に、がんにならはった。原口さん若いやん。野球選手やん。『きょう寝とこうか』というわけにいきませんやん。つらかったと思う」
自身は2017年に乳がんを患っていると公表。原口は19年に大腸がんを公表した。それから応援を続けていた。「野球選手の引退とか戦力外とか、泣きますねん。つらいですね、見てて」と寂しそうにつぶやいた。
時は王さんがダイエー(現ソフトバンク)監督時代にさかのぼる。「王さんがホークスの監督の時『直美さん、入団会見は華やかでええやろ。でもあの分(同じ人数が)クビ切られるねん。ところてんみたいに』と(話してくれた)」。勝負の世界につきまとう光と影。「私がやってる喜劇って、ところてんで“出ていく人”やと思う。戦力外で『子供がまだこれから中学行かなアカンのに』みたいな話を。ところてんの“向こう側”の話を演じているのが私」と華やかな舞台から去る側の人々に思いをはせた。
そんな王さんも06年に胃がんを患い、手術を受けた。だが85歳の現在も球団会長の激務をこなしている。「今もお元気ですから。長生きしていただきたい」と直美は「推し」を思いやった。
長生きと言えば、自身の母の話題になった。「98歳の母。うちのお母さんには、よう(大笑い)させてもらえますね。八代亜紀さんをテレビで見て『この人、年取らへんねえ。スターは年取らない!』と。亡くなってるということは言わなかったです」。滑稽でもあり、もの悲しくもある日常のひと幕を披露した。
公演は「一姫二太郎三かぼちゃ」「お祭り提灯」の2本立て。66歳の直美は「『お祭り提灯』の三太郎は6、7歳。60歳サバを読みます。丁稚の役をやらせてもらうのも、喜劇ならでは。『一姫』は個人的に大好き。
取材会には共演する林与一、三林京子も出席。83歳の林は「私と近い年齢で、途中で降板さなさる方が多い。最後まで持つよう体力を温存しています」と、74歳の三林も「花道を走るのは大変ですが、ダイエット目指して頑張ります」と笑わせた。