シンガー・ソングライターの長渕剛(69)が1日、大阪城ホールで全国アリーナツアー「7 NIGHTS SPECIAL」(4都市7公演)の初日公演を行った。1978年に「巡恋歌」で本格デビューして47年。
全身で「ツヨシ」コールを浴びた。「いくぞーっ!大阪!」「いくぞ、いくぞーっ!」とシャウトすると、大歓声が呼応。7500人の拳が上がった。
この日は「家族」で幕開け。「STAY DREAM」の弾き語りでは「歌いなよ」とあおり、開始早々から大合唱となった。
半世紀近く、第一線を駆け抜けてきた音楽人生。その裏では栄光と挫折、希望と絶望、信頼と裏切り…さまざまな経験が「何事にも代えがたい強烈なもの」として、長渕の身体(からだ)に刻み込まれてきた。
どんな状況であっても変わらないのは、共闘するファンの存在だ。長渕は「47年目に入りました。ここまで支えていただいて、本当にありがとうございます」と感謝。「人生紆余(うよ)曲折、いろいろなことがあります。
約2時間、魂のこもった歌声。最新曲「HOPE」や「明日へ向かって」など17曲を届けた。
9月に誕生日を迎えた。開演前の取材では「69(ロック)歳」の心境について「僕はカテゴライズされるのが大嫌い。フォークもロックも(関係ないよ)な、という形で生きてきたから」とピシャリ。その上で「シャンソン、歌おうかな。夫婦デュエットで」と冗談交じりに仰天プランも飛び出した。
妻の元女優・志穂美悦子さん(69)は、昨年から「鬼無里(きなさ)まり」名義でシャンソン歌手として活動を始めている。「志穂美と2人で。互いに向き合って『ろくでなし』(シャンソンの名曲)を歌うのって、ウケるでしょ。ゲストで(僕のライブに)出てくれないかな」とラブコール。
長年描いた夢の一つも結実しようとしている。「家族のような(結束の強い)事務所を作りたい―というのがあった。人生の終盤になって長男の(ミュージシャン)WATARUが寄り添い、長女の(女優)文音が寄り添い、会社の体制が決まってきましたから」と説明。「今が一番いいスタートかな。そういった意味では、みなぎっていますね」
家族のかたい絆で我が道をまい進する。(加茂 伸太郎)