ワイルドカードシリーズ(WCS)を2連勝で突破したドジャースは、4日(日本時間5日)からフィリーズとの地区シリーズ(S)に臨む。チームは2日(同3日)、第1戦が行われる敵地に移動。

初戦先発の大谷翔平投手(31)はポストシーズン(PS)初登板で、初の二刀流として臨む。フ軍にはシュワバー、ターナー、ハーパーら強打のスターがそろうが、前回対戦では5回ノーヒッターと快投。PSに「合わせてやってきた」という大谷が大舞台で再現を狙う。

 大谷は決意に満ちた表情でフィラデルフィア行きのチャーター機へ乗り込んだ。今季2度目のシャンパンファイトから一夜明け、ドジャースは地区S第1、2戦の舞台となる敵地へ空路で移動。球団SNSで決戦の地に向かうナインの様子が公開された。

 ド軍はWCSを唯一、連勝突破したが、次のステージでは難敵が待ち構える。第1戦先発が公表されている大谷にとってはPSでの投手&二刀流デビューとなる。フ軍はリーグトップのチーム打率2割5分8厘。中心は、大谷を1本上回る56発で2度目の本塁打王に輝いたシュワバーだ。132打点と合わせリーグ2冠に輝いた通算340本塁打の左のスラッガー。今季首位打者のターナー、MVP2度で通算363発のハーパーが並ぶ強力打線だが、大谷に悪いイメージはない。

 スター軍団を圧倒した実績がある。9月16日(日本時間17日)の本拠フィリーズ戦。ターナーは出場しなかったが、大谷は「プラン通り投げられた」と5回68球で無安打無失点、5奪三振と圧倒した。出した走者は四球の一人という“5回ノーノー”。シュワバーについては「何も感じてはない」と言いながら、今季最速タイの101・7マイル(約163・7キロ)を投げ込んだ。速球を意識させてスライダーなどの変化球で圧倒し、見逃し三振、左飛に料理。当時は徐々にイニングや球数を増やす過程で、同日はスプリットやツーシームも投げず引き出しを残している。

 フリードマン編成本部長は、投球回や球数の制限がなくなったと明言。「これから先(PS)に合わせて後半やってきたつもり」という大谷が、地区Sでの再戦で100%の力を発揮する。打撃ではWCS2戦で2発4打点。レギュラーシーズンでは2勝4敗と負け越したが、投打で状態は上向きだ。

 2勝2敗の場合、11日(日本時間12日)の敵地・第5戦に中6日で再び先発する可能性がある。

昨季のパドレスとの地区S第1戦では2回に大谷が同点3ランを放ち、逆転勝ちにつなげて頂点まで駆け上がった。「二刀流で世界一」まで残り11勝。合わせて889発のスター3人を擁するフィリーズを相手に、スーパースターたるゆえんを示す。(安藤 宏太)

編集部おすすめ