ドジャース大谷翔平投手(31)が4日(日本時間5日午前7時38分)、地区シリーズ(S)第1戦の敵地フィリーズ戦で、投手としてポストシーズン(PS)デビューする。前日の3日(同4日)は前日練習に参加し、会見にも出席。

報道陣の笑いを誘うなどリラックスした様子を見せた。また、佐々木朗希投手(23)が、今後も抑えを務める見通しであることをロバーツ監督が明言。大谷がつくって朗希が締める試合が実現する可能性も十分にありそうだ。

 PS二刀流デビューを目前に控えているとは思えないほど、大谷はリラックスしていた。練習のためグラウンドに姿を見せても、緊張感を漂わせるどころか、同僚と言葉を交わすたびに笑顔を見せた。50人超の報道陣が集まった会見でも敵地フィラデルフィアの印象を問われると、当地の名物を引き合いに報道陣の笑いを誘う余裕もあった。

 「球場での盛り上がりも他の球場に比べて素晴らしい熱量があるなと感じる。あとはチーズステーキがすごくおいしいクラブハウスだなと毎回思っています」

 レッズとのワイルドカードシリーズ(WCS)は、第1戦の初回先頭弾でチームを勢いづけて2連勝。右肘手術のリハビリを経て、ようやくたどり着いたPS初登板へ心を弾ませている。

 「今はすごい楽しみ。もちろん緊張することもあると思うけど、シーズンをこれまで勝ってきて、またあしたプレーできることに喜びを感じている。健康な状態でプレーできる状態を迎えられれば、それは自分にとって幸せなこと」

 9月16日にフィリーズ戦で登板した際には5回無安打無失点で強力打線を完璧に封じた。

大谷を1本上回る56発で本塁打王に輝き、132打点で2冠を手にしたシュワバーも今季の自己最速タイ101・7マイル(約163・7キロ)を投げ込むなど見逃し三振、左飛で打ち取った。今回もいかに2冠王を封じるかがカギ。ちなみにPSで55発以上を放った打者2人が対戦するのは初めてだという。

 「素晴らしい打者なので、しっかりポイントを突ければいいと思っていますし、前回とラインアップが変わっていると思うので、またそこもケアしながら、どういうふうに抑えていくか」

 今季は23年に受けた右肘手術からの復帰過程とあって、投球回や投球数を制限されてきたが、ロバーツ監督らは、PSでは制限なく投げさせることを明言した。

 「しっかり体調を合わせて行けと言われたところで5回投げ切って、6回投げ切って。次も行ってほしいというのであればベストを尽くすのが仕事」

 さらに、リリーフには同じ岩手出身でもある朗希も控える。

 「心強いとみんなが思っていると思う。ブルペンも新しいメンバーが入って活気づいている。大事な舞台を前に健康な状態で戻ってきてくれたのは、チームにとってすごく大きい」

 先発投手が5番以上の打順に入れば、MLBのPS史上初。PSで投手、投手以外でいずれも1試合以上に先発出場するのも史上初となる。歴史をつくる瞬間が、またしてもやってきた。(安藤 宏太)

 ◆チーズステーキ 米ペンシルベニア州フィラデルフィアが発祥の地とされ「フィリーチーズステーキ」「フィラデルフィアチーズステーキ」などといわれるソウルフード。

炒めた細切れの牛肉、タマネギ、チーズをロールパンに挟んだサンドイッチ。フィラデルフィアには専門店が多数ある。

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