バスケットボールB1リーグ▽第1節 京都94(23―15、24―18、26―31、21―21)85富山(4日・京都市体育館)

 京都が今季就任した伊佐勉ヘッドコーチ(HC、55)の下、ホームで富山を94―85で破り、2季連続で開幕白星を飾った。第4クオーター(Q)途中に3点差まで詰め寄られたが、SG前田悟(28)とセンターのチャールズ・ジャクソン(32)の両主将が連続得点で突き放した。

8強入りした2017―18年シーズン以来、8季ぶり2度目のチャンピオンシップ(CS)進出と、掲げる初の日本一へ好発進した。

 試合終了と同時にホームが大歓声に包まれた。初めて日本一を掲げたシーズンで、京都が開幕戦で白星。初陣を飾った伊佐HCは「3点差まで詰められて僕が一番、ヒヤヒヤした」と試合中の心境を明かし、「選手たちが『もう一度ディフェンスからやろう』と言ってくれた。やるべきことを信じてくれた結果」と、激しくプレッシャーを与えてボールを奪う、自身のバスケットを遂行した選手らをたたえた。

 今季B1に復帰した富山の粘りに苦戦した。第3Qで20点差以上あったリードが第4Q途中、3点差に。会場内に流れ始めた不穏な空気を一掃したのは、頼れるダブルキャプテンの2人だ。今季就任した前田と、主将2季目のジャクソンが次々と得点と挙げて突き放し、チームを救った。この日13得点の前田は「すごく楽しかった。主将とかは意識していなくて、頼もしいベテランもいますし」と笑顔。チーム最多25得点のジャクソンも「応援にエナジーをもらった。

このまま勝ち続けたい」と胸を張った。

 昨季は西地区3位。CS進出は逃したが、順位だけを見れば、23―24年シーズンの最下位(8位)からは飛躍している。だが、東海大やトップリーグ(現リーグワン)のコカ・コーラなどでSHとしてプレーした元ラグビー選手の松島鴻太社長(34)は「プレーオフ(=CS)を目標にしてしまったから、プレーオフに行けなかった。一昨年なら笑われていたが、今なら日本一を目指すと言える」と、目標を頂点に設定。bjリーグ時代の琉球で日本一を2度経験し、自身初のB1優勝を見据える伊佐HCと新しい道を歩む。

 喜ぶ間もなく、5日も富山戦が待つ。「きょう以上のエナジーをコートに持ってくる。優勝するために、しっかり勝ちたい」と伊佐HC。前田も「ハードに40分間やっていきたい」と走り続ける覚悟だ。苦戦を乗り越えた京都が、さらに加速する。(田村 龍一)

 ◆京都ハンナリーズ(KYOTO HANNARYZ) 2008年7月創設。

クラブ名は京ことば「はんなり」(華やかで上品さと気品も兼ね備えているさま)から命名された。チームカラーは花浅葱色(はなあさぎいろ、鮮やかな青緑色)。ホームタウンは京都府下26市町村。ホームアリーナは京都市体育館。

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