◆第30回秋華賞・G1(10月19日、京都競馬場・芝2000メートル)
「考察」の秋華賞担当は、理貴(山本理貴)記者だ。初回は「見立て編。
今年はフローラS、オークス、ローズSと目下3連勝中のカムニャックが断然の主役。「コンディションはもうひとつ上がってきた感じ。グッと筋肉が乗ってきた状態に見受けられるし、もう本当に順調」とさらなる充実を伝える大江助手の言葉からも、2冠に死角は少ないように映る。
しかし、競馬に絶対はない。3連勝でホープフルSを制し、1強は揺るぎないと思われたクロワデュノールが皐月賞(2着)でまさかの敗戦。向こう正面での不利、出入りの激しい展開が影響し、力を出し切れなかった。条件がかみ合えば伏兵の台頭の余地はどのレースにもある。本命党だった予想スタイルを一考するきっかけになった。
距離短縮で復権を期す桜花賞馬エンブロイダリーはもちろん、ローズSは不完全燃焼に終わったオークス4着のパラディレーヌなど、気になる馬は多い。特に注目しているのは、21年の有馬記念などG1・3勝したエフフォーリアの全妹ジョスランだ。
紫苑Sでは緩んだ流れを外、外を回ってインを突き、逃げた勝ち馬ケリフレッドアスクに首差2着。ゴール前の伸びは目を引くもので、ペース次第でさらに威力を増しそうだ。
伏兵候補にも魅力的な馬がズラリ。さまざまな角度から検討を重ね、樫の女王の牙城を崩しうる存在を絞っていきたい。(山本 理貴)