巨人は18日、岡本和真内野手(29)のメジャー移籍に向けたポスティング申請手続きを日本野球機構(NPB)に行ったと発表した。一両日中にメジャー全30球団に通達され、45日間の交渉期間がスタートして争奪戦が本格的に幕を開ける。

本塁打王3度の長打力に加え、一、三塁と外野を守るユーティリティー性も高く評価されており、5年100億円規模の大型契約が予想される。

 岡本争奪戦が本格的にスタートする。この日、巨人はNPBにポスティングの手続きを行ったと発表。近日中にメジャー全30球団との45日間に及ぶ交渉期間が始まる。巨人からのポスティングは19年オフの山口俊、20年オフの菅野智之に次いで3例目で、野手では初となる。

 岡本は10月22日に行った会見で「憧れでもありましたけど、常に目標にしていた。そういう舞台に行ける選手になりたい、行って戦える選手になりたい。そういう気持ちは変わらず、ずっと持っていた」とメジャーへの強い思いを明かしていた。今季は5月に左肘のじん帯を損傷して約3か月間離脱したが、69試合で打率3割2分7厘、15本塁打、49打点をマーク。15、16日には侍ジャパンの一員として韓国との強化試合にも出場した。

 メジャー球団にとって岡本は魅力的な存在だ。通算248発の長打力だけでなく、一、三塁と外野を守ることができる器用さも武器。

代理人を務めるS・ボラス氏は「メジャーの各球団は、守備力がありパワーのある打者を求めている。岡本はパワーがあって空振りが少ない。三塁、一塁を守れて多様性があって人気が高まっている」と自信を口にする。同じ三塁が主戦場の村上は4歳若いが、即戦力としては空振りが少なく守備も安定している岡本の評価が高まっている。

 一、三塁ではブレグマン(Rソックス)、アロンソ(メッツ)、スアレス(マリナーズ)らもFAとなっているが、複数球団が岡本獲りに動くことは確実。米国内ではヤンキース、メッツ、Rソックス、カブスなど、資金力がある伝統球団も獲得に乗り出す可能性が高いと報じられている。日本人野手で、米1年目最大の契約は22年12月に29歳だった吉田正尚がRソックスと結んだ5年9000万ドル(約124億円=契約当時のレート)。同じボラス氏が代理人を務めることもあり、吉田に匹敵する5年100億円以上の巨大契約を手にする可能性も十分にありそうだ。

 MLBが全30球団に18日(日本時間19日)に通知した場合、交渉期限は1月1日(同2日)。年末年始の休暇を考えると、年内決着が濃厚だ。12月8日(日本時間9日)からはフロリダ州オーランドでウィンターミーティングが開催され、各球団の編成責任者や監督、代理人らが集まって移籍交渉が進む見通し。岡本争奪戦の行方から目が離せない。

 ◆その他日本人のポスティング申請状況(日付は日本時間)

 ▽村上宗隆(ヤクルト) 11月8日申請、12月23日まで。マリナーズが接触済み。

 ▽今井達也(西武) 代理人のボラス氏によると11月20日に申請。予定通りなら来年1月3日まで。

 ▽高橋光成(西武) 西武が今オフの申請を容認。代理人はJ・ウルフ氏。

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