ヤンキースのハル・スタインブレナー・オーナーが24日(日本時間25日)、オンラインによるメディア対応を行い、ワールドシリーズを連覇したドジャースの勢力に危機感を募らせる一方、大谷翔平ら日本人トリオが世界一に貢献した背景からも、日本市場からの選手獲得の重要性について言及した。

 メジャー最多の27度の世界一を誇るヤンキースは、2009年を最後に頂点から遠ざかっている。

一方、大谷翔平、山本由伸、佐々木朗希の日本人3投手を要するドジャースは来年、ヤンキースが2000年に達成して以来の偉業となるWS3連覇に挑む。

 同オーナーは「もちろん、懸念している。彼らは驚異的な人材を擁し、任務を遂行した。多くのけが人を抱えつつ、必要な時に健康体を取り戻し、潜在的な力を発揮した。1球団が他の29球団を引き離している状態を危惧している」と、ド軍の独走ぶりに危機感を募らせる。

 ド軍の今季の総年俸はメジャー30球団最高の約3億5000万ドル(約550億円)。ヤ軍は同3位で約3億2000万ドル(約520億円)だった。「投資と世界一を達成することの相関性は薄いと思うが、彼らに敬礼する。1度優勝するのも難しい中、ドラマチックな形で連覇したのだから。ただ、我々やメッツの総年俸が劣っていた訳ではない」と、見解を述べた上で、来季の予算枠については「全ての可能性を探っていく。この時期、具体的な数字(総年俸)を上げることは難しい」と、含みをもたせた。

 ドジャースの日本人トリオが世界一に大きく貢献して迎える今オフは、村上宗隆内野手、岡本和真内野手、今井達也投手ら、日本市場からの注目選手がFA市場に参戦する。

特定選手への言及は避けつつ、「過去にも日本選手を獲得してきたし、山本(由伸・ドジャース)も合意に至らなかったが、獲得に動いた。西海岸球団は地の利を得ているが、我々の努力が欠落していたわけではない。日本選手の獲得は重要だ」と同オーナー。過去に伊良部秀輝を始め、松井秀喜黒田博樹イチロー田中将大ら日本のスター選手と契約し、2年前には山本争奪戦に積極参戦した実績を踏まえ、「在米日本人は、日本選手がヤンキースでプレーすることを望んでいるだろう。日本における野球は”王様”であり、過去同様、今後も獲得の努力を続けていく」とした。

 一方、今オフの補強に関しては「外野手をもう1人」と「中継ぎ投手は必須」とポイントを挙げ、「けが人が予定通り復帰すれば先発陣は、素晴らしいものになると思うし、内野はほぼ揃っている」と発言。捲土重来を期すヤ軍の補強が注目される。

 ヤンキースは、今季は94勝68敗でア・リーグ東地区2位となり、ポストシーズンは、地区シリーズで、ブルージェイズに1―3で敗退した。

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