第70回有馬記念・GⅠ(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル)

 暮れの大一番、有馬記念出走予定馬の共同会見が栗東トレセンで開かれ、春秋グランプリ連覇を目指すメイショウタバル(牡4歳、栗東・石橋守厩舎、父ゴールドシップ)に騎乗する武豊騎手がメディアの質問に対応した。武豊騎手の問答は以下の通り。

 ーさあ今年もこの時期がやってまいりましたが、武豊騎手としてはどんな思いで迎える今年の有馬記念でしょうか。

 「メイショウタバルと迎える有馬記念なので、非常にワクワクしています」

 ーやっぱり武豊騎手にとっても有馬記念というのは特別なレースでもありますか。

 「そうですね。競馬関係者みんな同じだと思うんですけど、特別なレースですね」

 ーまずはメイショウタバルの前走から振り返っていただきたいんですが、天皇賞・秋はいかがでしたか。

 「僕は3度目の騎乗だったんですけど、過去2回よりもレース前も落ち着いていましたし、レースでもコントロールの効いた走りをしてくれて、そういう点ではすごく良かったなと思いますね。ただ、結果は少し残念でしたけど、先につながるレースはできたかなと思います」

 ーペースが非常にゆったりとした中で、また新たな引き出しも増えたのかなと思いますが。

 「そうですね。まだ前回、天皇賞・秋1回で確実とは言えないんですけど、つかみどころがない部分もたくさんありますし、難しいところは感じる馬なので気は抜けないですけど、ああいう走りができたというのは良かったかなと思います」

 ーこの1年、ドバイ、宝塚記念、天皇賞・秋とコンビを組まれるなかで、馬の成長あるいは強みはどんなふうに感じられていますか。

 「もともと持っているポテンシャルはすごく高いものがあると思うんですけど、気性というか、難しい部分があって、毎回力を発揮できるタイプではないかもしれないですけど、ただ、うまく噛み合った時の強さはかなりのものだなと思いますね」

 ー今回は中山2500メートルという舞台になりますが、持ち味をどういう形で引き出したいですか。

 「舞台としては中山はいいのかなと思ってますね。距離の2500メートルもスタミナのある馬ですし、血統もそうですし、距離は問題ないと思っています。ただ、距離が伸びることによっての折り合いの重要さが出てくるので、そこが非常に大事になってくると思います」

 ー返し馬からスタートまでの雰囲気も重要と以前おっしゃっていましたが。

 「勝った宝塚記念の時は返し馬でもかなりエキサイトしていましたし、レース前もゲート前も入れ込んでたんですけど、それでもパフォーマンスを発揮してくれたので、そういうところもまだつかみづらい部分もあるんですけど、あとはレースでどれだけやってくれるかだと思います」

 ー前走後、石橋守調教師とは有馬記念に向けて何か話はされましたか。

 「順調に、本当に順調に来ているという話は聞いています」

 ー明日は枠順抽選会もありますが、どんなクリスマスプレゼントが欲しいですか。

 「枠順に関しては、どこじゃなきゃダメということはそこまでは思ってないですけど、ふつうに過去の傾向を見ると中山2500メートルは内枠の方がいい結果が出やすいので、できれば内めかなという感じです」

 ーどんなレースが理想でしょうか。

 「理想は単騎でゆったり逃げられたら一番いいですけど、競馬ですから簡単にはいかないと思いますし、ポジションはどこであれ、馬がリラックスして前半を走ってくれればいいかなと思っています」

 ー先代の松本オーナーも勝ちたかったレースとおっしゃっていたそうですが。

 「先代の松本好雄オーナーもすごく有馬記念が好きなレースだとよく口にされていたので、今回このチームとして思うところはありますね」

 ー松本オーナーの思いも背負われ、石橋守調教師と、日高の馬で臨む有馬記念ですが。

 「子供の時からずっと一緒にいた石橋さんが調教師で、日高、三嶋牧場のメイショウの馬で有馬記念に出られるだけでもすごく嬉しいですけど、こんなチャンスはなかなかないですから、勝ちたいですね」

 ーファンの皆さんへメッセージをお願いします。

 「本当にファンも応援してくれている馬ですし、大舞台ですし、悔いのないレースをしたいと思ってます。あとは良い結果を目指して、ベストを尽くして乗るだけですね」

 ー歴代最多5勝目がかかる有馬記念ですが、改めて思いを。

 「勝つチャンスのある馬だと思っていますし、競馬は難しいですけど、いいレースをして、最高の結果でゴールしたいなと思います」

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