巨人からポスティング制度を利用してブルージェイズに移籍した岡本和真内野手(29)が、米フロリダ州ダンイーデンのキャンプ地での自主トレ2日目となった15日(日本時間16日)、三塁の“特守”を行った。

 外野芝のギリギリ手前まで深く位置をとった場所に、オレンジ色のコーンが1辺2メートルの間隔で設置された。

日本の三塁手が守るより、数歩は奥となる位置だ。フェブレス内野守備コーチが身ぶり手ぶりを交えて熱血指導。ノックが始まると、シュナイダー監督も視察に現れた。ノッカーを務めた同コーチの補助役を務めながら、岡本の動きに熱視線。外野芝の手前から、一塁、二塁の送球を行うドリルを丁寧に反復。メジャーの正三塁手としての適応に取り組んでいる。

 「バントやゴロが多い日本とは打球の質が少し違うので、アジャストしなければいけない。前に空間を作るためやや奥に守る必要があり、それだけ広い守備範囲が求めらる。2、3歩分、広い空間を守ることになるだろう。彼はそれが可能な武器(肩、脚力)を備えており、基本に忠実だ。送球動作は(足の)動きも、球離れもスムーズ。第一印象はとても良かった」とフェブレスコーチはうなずいた。

 岡本を正三塁手に任命したシュナイダー監督も足を運んだ。「サード・岡本」への強い関心の表れだ。悲願のワールドシリーズ優勝を目指すチームの命運は、4年総額6000万ドル(約94億円=契約当時のレート)を投じた新三塁手の成功にかかっていると言っても過言ではない。

 米野球殿堂入りを果たしたマリナーズイチロー氏をはじめ、ワールドシリーズMVPの松井秀喜氏(ヤンキースなど)に代表されるようにメジャーで成功した多くの日本人野手は外野手だ。カブス鈴木誠也、レッドソックスの吉田正尚も健闘中。一方、内野手は苦戦が続いている。レギュラー級は松井稼頭央氏(メッツなど)、岩村明憲氏(レイズなど)、井口資仁氏(Wソックスなど)ら2010年代より以前にさかのぼり、そのハードルは高い。

 しかし、フェブレスコーチはテクノロジーの進化が難関突破の助けになると指摘する。「昨今は我々が持つ(データ分析力との)連携によって、それが実現できる。分析によって、守備位置の調整はより可能になっている。誰がどこにどんな確率で打ってくるのか、より把握できるようになっているからだ。だから大事なことは、まず第一に、自分自身であること。

そして、しっかり適応していくことだ」と述べた。

 およそ15年間にも及ぶ日本人内野手“不毛”の時代に終止符を打てるか。岡本のチャレンジは日本人内野手の評価を塗り替える試みでもある。

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