◆第70回大阪杯・G1(4月5日、阪神競馬場・芝2000メートル、良)

 第70回大阪杯・G1は5日、阪神競馬場の芝2000メートルで争われ、1番人気のクロワデュノールがゴール前で逃げ粘るメイショウタバルを差し切りG1・3勝目。強い4歳世代の日本ダービー馬が復権を果たし、世代を超えた中距離王者を襲名した。

主戦の北村友一騎手(39)=栗東・フリー=は「今年はクロワデュノールが主役」と宣言。今後のさらなる活躍をファンに約束した。

 春の日差しを背に受けて、堂々と直線を貫いたのはクロワデュノールだった。並み居るライバルたちをなぎ倒し、世代を超えた頂点の座に就いた。25年の日本ダービー馬を復活に導いた北村友は右拳を何度も突き上げた。巻き起こった「ユーイチ」コールが鞍上を包んだ。「ホッとしたというのがやっぱり一番。勝つクロワデュノールを見せることができて良かった」と充実感のにじむ笑みを浮かべた。

 向こう正面では8番手。先頭を行くメイショウタバルのペースを警戒し早めに仕掛けた。「楽に行かせすぎるとまずいと思っていた。3コーナーあたりから動かしていきたかった」。

直線半ばで武豊の駆る逃げ馬を射程圏にとらえると、鞍上は右ステッキを何度も振り下ろし、全身全霊で鼓舞した。「何とかつかまえてほしいと思って追った。最後は馬の底力でとらえてくれた」。人馬一体となってゴール前の抜群の加速力を引き出し、3/4馬身差で差し切った。

 休み明けで臨む落とせない一戦に、ひとつのスパイスを加えた。早朝4時58分。阪神競馬場への出発前に、栗東トレセンの坂路を駆け上がるクロワの姿があった。馬体は前走から10キロ増え、肉体面の成長は著しかったが「シェイプアップはしていたが、この馬に関してこんなに重たいということはなかった。(当日の坂路入りは)初めてですね」と斉藤崇調教師。レース当日に異例ともいえる調整を施し、勝利をつかみとった。

 デビュー戦から無傷3連勝でホープフルSをV。3歳初戦の皐月賞は2着に敗れたが、続く日本ダービーを制して世代最強の名を手にした。

だが、日本競馬の悲願をかけて挑んだ凱旋門賞は14着に大敗し、ジャパンCも4着。日本ダービー馬の“称号”を汚さないためにも、これ以上、敗戦を重ねるわけにはいかなかった。「いいことも悪いことも、ともに経験して、乗り越えて強くなっていける相棒」と評した主戦。「今年はクロワデュノールという馬が主役だと思っている。ずっと主役で引っ張っていけるように」と力強く言い切った。光を取り戻した一等星は、競馬界の中心でさん然と輝き続ける。(山本 理貴)

 ◆クロワデュノール 父キタサンブラック、母ライジングクロス(父ケープクロス)。栗東・斉藤崇史厩舎所属の牡4歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は9戦6勝(うち海外2戦1勝)。総獲得賞金は9億1664万8600円(うち海外597万600円)。主な勝ち鞍は25年日本ダービー・G1、24年ホープフルS・G1、24年東京スポーツ杯2歳S・G2、25年プランスドランジュ賞・仏G3。

馬主は(有)サンデーレーシング。

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