◆第69回阪神牝馬S・G2(4月11日、阪神競馬場・芝1600メートル、良)=1着馬にヴィクトリアマイルの優先出走権

 第69回阪神牝馬S・G2は11日、阪神競馬場でG1馬3頭を含む10頭立てで争われ、1番人気のエンブロイダリー(ルメール)が首差で逃げ切り、香港マイルで11着大敗からの復活をアピールした。

 最後まで、前には何もいなかった。

香港での11着大敗以来、4か月ぶりとなる復帰戦。ルメールは最内枠のエンブロイダリーを気持ちよく走らせるように、発馬直後で先頭に立った。前半4ハロン46秒5とマイペースを刻むと、直線でも余力は十分。躍動感の伝わる雄大なフォームで脚を使い、外から迫るカムニャックを封じ込む。「2000メートルまでいけるので、最後も心配していなかった。ゴールまで伸びると思っていました」と鞍上は笑みを浮かべた。

 ちょうど1年前。モレイラが手綱を執った雨中の桜花賞でアルマヴェローチェとのマッチレースを制し、G1初勝利をつかんだ。着差こそ同じ首差。しかし、この日は澄み切った青空のもと、当時から14キロ増とたくましくなった体で、ルメールとの鮮やかな逃げ切り。昨年とは大きく異なった状況のなか、何より全く危なげない内容が成長の証しだった。「すごく強い内容でした。

完成されてきたのかなと思います」と森一調教師もうなずく。

 G1馬3頭がそろった始動戦を1分31秒6の好時計で制し、次戦はヴィクトリアマイル(5月17日、東京)か安田記念(6月7日、東京)を見据える。「マイルの適性はあると思っていたが、そのなかでしっかり勝つことができました」と森一師。思い出の舞台で復活を遂げ、輝きを取り戻した2冠牝馬が再び頂点へ走り出す。(山本 武志)

 ◆エンブロイダリー 父アドマイヤマーズ、母ロッテンマイヤー(父クロフネ)。美浦・森一誠厩舎所属の牝4歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算10戦6勝(うち海外1戦0勝)。総獲得賞金は3億9403万1000円(うち海外0円)。主な勝ち鞍は25年クイーンC・G3、25年桜花賞、25年秋華賞(ともにG1)。馬主は(有)シルクレーシング。

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