映画「ドライブ・マイ・カー」で米国アカデミー賞の国際長編映画賞に輝いた濱口竜介監督の新作「急に具合が悪くなる」(6月19日公開)が15日、第79回カンヌ国際映画祭(23日まで)でワールドプレミア上映され、14分間に及ぶスタンディングオベーションの称賛を受けた。

 介護施設を運営するフランス人女性と、末期がんの日本人舞台演出家による心の交流を描く物語。

上映時間3時間16分の大作で、最高賞パルムドールを競うコンペ部門に出品されている。上映前のレッドカーペットには介護施設の施設長役のヴィルジニー・エフィラ、演出家役の岡本多緒に加えて長塚京三、黒崎煌代、濱口竜介監督が登場した。

 濱口監督にとって「寝ても覚めても」「ドライブ―」に続く3作目のコンペ出品。一同が上映会場に入ると「ブラボー!」「ハマグチ!」の声援。作品への期待度にあふれる満席の会場で上映がスタートした。上映後は拍手喝采で濱口監督は「素晴らしいキャストとクルーのおかげで完成しました。そして、この映画には原作があります。(原作者の)磯野真穂さん、宮野真生子さんに感謝を申し上げたい」。エフィラ、岡本も涙をぬぐいながら、互いに熱いハグを交わし、観客の声援に応えた。

 囲み取材では、濱口監督は「ようやく観客に届けることができた」と感無量の様子。エフィラは「人と人とがつながることの大切さを伝えてくれる作品」と語り、岡本は「画面の向こう側で見ていたカンヌに自分がいるなんて、現実味がまだありません」と興奮気味。長塚は「見れば見るほどに感動が深くなる作品」と余韻をかみ締め、黒崎は「新しい気持ちで映画を見ることができた」と喜びを表現した。

 コンペ部門には、「箱の中の羊」(是枝裕和監督)、「ナギダイアリー」(深田晃司監督)も含め、25年ぶりに日本映画が3本、出品されている。授賞式は現地時間23日に行われる。

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