上半期のG1レースを振り返るうえで、真っ先に思い出されるのは、ジュウリョクピエロでオークスを制した今村の存在だ。JRA所属の女性騎手として、史上初のG1勝利をクラシック初騎乗で達成。

歴史的快挙を成し遂げた22歳に集まる注目は、いまや競馬ファンからのみにとどまらない。

 記憶に新しいのが2週連続の“ユタカ劇場”。武豊はテン乗りのシックスペンスで安田記念を勝つと、翌週の宝塚記念はレース直前の豪雨も味方に、メイショウタバルを連覇に導いた。7日で自身の最年長G1勝利記録を57歳3か月に塗り替えたレジェンドは「ようやくピークが来ました」と笑いを誘い、衰えとは無縁の手腕をアピールした。

 史上9頭目のトリプルクラウンにリーチをかけたロブチェンも、もちろん注目の一頭だ。皐月賞は逃げて衝撃のコースレコードV。日本ダービーは中団から差し切りと、自在性に富む競馬での2冠達成。父のワールドプレミアは初年度産駒からダービー馬を出し、種牡馬価値はより高まっていくだろう。主戦の松山は20年にデアリングタクトで牝馬3冠を達成しており、牡牝それぞれの3冠馬で牡牝3冠6競走を完全制覇となれば、前人未到の大記録だ。

 また、平地G1で高松宮記念(サトノレーヴ)からヴィクトリアマイル(エンブロイダリー)まで、7戦連続で1番人気馬が勝利するなど、12戦で8勝を挙げた。シリーズを通しての3連単の配当は最低が3670円(ヴィクトリアマイル)、最高が24万5730円(高松宮記念)。ヒモ荒れの傾向はあったが、穴党は苦戦を強いられた。

 ルメールは全ジョッキーで唯一の12戦皆勤。松山と並んで最多タイの3勝をマークし、存在感を放った。

 宝塚記念で首差2着のクロワデュノールは惜しくも史上初の春古馬3冠の偉業は逃したが、大阪杯と天皇賞・春を勝利。数々のドラマと新たな歴史が刻まれた見応えあるレースばかりだった。(馬トク取材班)

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