60年前の1966年。日本のテレビドラマ界に革新的な作品が登場した。

1月からTBS系で放送された「ウルトラQ」と、それに続いて7月からオンエアされた「ウルトラマン」だ。「空想特撮シリーズ」と銘打たれた、この2作から、実に半世紀以上にも渡って後継作品が誕生し、日本の、世界中の子供たちに「勇気」「希望」「思いやり」といったテーマを教示している。スポーツ報知では「―Q」「―マン」にヒロイン的な立ち位置(江戸川由利子、フジ・アキコ)で出演した桜井浩子(80)にロングインタビューを敢行。自身の半生、クリエイターの“梁山泊“とも言えた当時の撮影現場での逸話などを聞いた。 (名取 広紀)

 空想特撮シリーズの第2弾「ウルトラマン」が、第1弾の「ウルトラQ」と最も異なった点は、全編カラーでの放送ということだった。

 子供たちは今までに見たこともない斬新な特撮映像=ベーターカプセルを用いての変身シーン、スペシウム光線、ウルトラスラッシュなどに魅了され、科学特捜隊(科特隊)の洗練されたオレンジ色のユニホームに目を奪われた。

 「今もファンの方から『格好いい隊員服でしたね』なんて言われるんですが、当時はねえ…(笑い)。カラー放送に最も映える色調があの色だったみたいですけど、当時、私はフィルムノワール【注】に凝っていたので『こんな派手な色着られない‼』ってプンプンしていました(笑い)」

 真夏でも、撮影をしていた東京美術センター(美セン)から一歩でも外に出る時は、コートを羽織って移動した。それくらいオレンジ色のコスチュームが目立っていた。

 「あの頃、(石井)伊吉(現・毒蝮三太夫)さんは上野毛に住んでいたんです。で、(世田谷区大蔵の)美センから近かったので、休憩になるとみんなで車で移動して、家に上がり込んで店屋物を頼んで食べたりしたんですよ。こういう時もコートを羽織って行きました。

キャップ(小林昭二)が一番嫌がっていたんじゃないかな(笑い)」

 科特隊の隊員おそろいのコスチュームとしては、青いブレザーも。こちらはめっぽう評判が良かった。

 「衣装さんから『きょうはブレザーです』なんて言われるとうれしくってね」

 第14話の「真珠貝防衛司令」(監督・実相寺昭雄)で、アキコとイデがこの青いブレザー姿で銀座の街中を歩くシーンがある。

 「ロケバスの中で待機していて、衣装さんから『ブレザーで行きます』って言われて、2人で『やった!』ですよ(笑い)。銀座4丁目をオレンジの隊員服で歩くなんてねえ(笑い)あの時が『ウルトラマン』の撮影中、一番、ホッとした瞬間かもしれませんね」

 【注】モノクロでコントラストの強い光と影を表現した手法が用いられた。

 ※参考資料 ウルトラマン45周年特別号、ウルトラマン50周年特別号(報知新聞社・2011年、16年)ヒロコ ウルトラの女神(ミューズ)誕生物語(小学館・2011年)

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