◆第108回全国高校野球選手権茨城大会▽準決勝 常総学院9―8明秀学園日立(23日・ノーブルホーム水戸)

 茨城の準決勝では、常総学院が4点を追う延長10回に一挙5点を奪い、明秀学園日立にサヨナラ勝ち。10年ぶりの夏の聖地へ王手をかけた。

 誰もが固唾(かたず)をのんでその打席を見つめた。タイブレークの延長10回1死満塁。常総学院・佐藤泉里(せんり)内野手(2年)の打球が左前に落ちると、常総ナインはベンチから飛び出し歓喜の輪を作った。4点を先に奪われ、5点を奪い返す大逆転劇。殊勲のヒーローは「きつい展開で『もう自分で決める』と打席に立って初球から行く気持ちだった。それが結果につながって良かった」と興奮冷めやらぬ表情で語った。

 負けられない理由が佐藤にはあった。大会2週間前に左太もも裏を肉離れ。不安に駆られていたが、主将の水口煌太朗内野手(3年)からの「責任持って、復帰したら自分のプレーができるようにしておけ。俺ら3年がいるから、お前は焦らずにやれ」という言葉で気持ちが楽になった。電気治療やリハビリを続け、幸い大会には間に合った。そして迎えた準決勝の大舞台でサヨナラ打。

先輩への感謝の言葉を並べた佐藤は感涙を流し「高校野球人生で一番うれしかった」。水口主将も「ここに来て結果を出してくれて本当に良かった」と頼れる後輩に感謝した。

 10回の攻撃前。島田直也監督(56)から「相手が取れるんだからウチも取れる。伝説を作ろう」のハッパに応え、10年ぶりの夏の甲子園出場に王手をかけた。「切り替えて、もう一度チーム全員で戦っていきたい」と佐藤。一昨年の覇者・霞ケ浦。相手に不足はない。(松浦 楓)

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