◆第62回札幌記念・G2(8月16日、札幌競馬場・芝2000メートル)

 サマー2000シリーズ第4戦の第62回札幌記念・G2は16日、札幌競馬場・芝2000メートルで行われる。前走の天皇賞・春で3着だったアドマイヤテラが凱旋門賞(10月4日、仏パリロンシャン競馬場)のステップとして出走。

同レースから始動を選択した友道康夫調教師の決断を、ヤマタケ(山本武志)記者が「見た」でひもとく。

 多くの経験が新たな“道”を生んだ。友道調教師はアドマイヤテラと3度目の凱旋門賞。しかし、16年のマカヒキや22年のドウデュースとアプローチが違う。ともに現地で前哨戦を叩いたが、今回は現地で一戦のみ。「向こうで1か月ほどの滞在だと中途半端だよね。馬場が違うから走り方も変わる。それなら、走り方が合うか合わないかだけど、日本からいい状態で連れて行きたい」

 実は今まで何度も聞いてきた言葉だ。過去2回は環境への対応や、前哨戦からの短い間隔で仕上げ切れなかった。「特にドウデュースは明らかにおかしかった。現役中、あの1か月だけ調教でも動かなかった」

 一方、凱旋門賞以外では17年にヴィブロスでドバイ・ターフを、19年にアドマイヤマーズで香港マイルを勝利。ともに現地にはレースの約10日前の輸送だった。

「日本でつくっていって、何より馬の状態が良かったからね」

 今回は3週間ほどの滞在予定。11月に控えるスティンガーグラスのメルボルンCも、現地で一戦のみだ。海を越えても、普段に近い日本仕様の仕上げで勝負する。そこには日本馬のポテンシャルに対する確かな手応えが伝わる。

 そして始動戦として選んだのが札幌記念だ。秋の海外遠征プランが出た時から、オーナーサイドに進言した。「間隔的に前哨戦としては空きすぎず、詰めすぎずでちょうどいい。洋芝でもあるからね」

 はっきりと本番を見据える前哨戦だけに、中間の調整からも熱が伝わる。友道師は放牧先のノーザンファーム早来に何度も足を運び、函館入り後の1週前追い切りでは新コンビの坂井騎手が駆けつけた。「牧場でもしっかり乗ってもらって、いつ見ても締まった体でした。いい夏休みを過ごしたと思います」。北の大地からの挑戦をしっかりと見届けたい。

(山本 武志)

これまで最も短い距離が2400メートル!生粋のステイヤー

 アドマイヤテラは11日、函館競馬場の角馬場で体をほぐしてからWコースを1周半。落ち着いた雰囲気で調教を終えた。岩崎毅助手は「雰囲気はいつも通りで、変わりないですね」と順調ぶりに目を細めた。

 天皇賞・春3着後は、北海道で放牧。暑さの影響を受けず、涼しい環境で過ごせた。3か月半ぶりの実戦だが、同助手は「今までも間隔を空けて使ってきたし、厩舎にいて続戦したのは去年のジャパンCから有馬記念のときだけ」と意に介さず。「もともと、無駄肉が付かないので」と馬体にも重さはない。

 4歳以降のレースで、最も短い距離が2400メートルという生粋のステイヤー。2000メートル戦は3歳春の若葉S(4着)以来だ。それでも同助手は「多少は短いけど、京都や阪神と違って(札幌は)ポケットからスタートするので、テンが速い流れになることはないと思う」と、コース形態にいいイメージを持つ。目黒記念、阪神大賞典に次ぐ重賞3勝目を挙げ、秋の大一番に弾みをつける。

(水納 愛美)

 ◆マカヒキとドウデュースの凱旋門賞 16年日本ダービー馬マカヒキは同年8月19日に出国。

9月11日に行われた前哨戦の仏G2・ニエル賞を快勝したが、凱旋門賞では折り合いを欠き14着に終わった。22年日本ダービーを制したドウデュースは「(ニエル賞が)1本目の追い切りぐらいのイメージで」(友道師)と、マカヒキより遅い9月2日に渡仏し、同11日のニエル賞に出走も4着。迎えた凱旋門賞はレース直前に降った雨で悪化した馬場にも泣き、19着の完敗。キャリア唯一の2ケタ着順となった。

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