演歌歌手の石川さゆり(68)が15日、石川・能登町の、やなぎだ植物公園で開催された「ござれ祭り」でフリーライブを行った。24年12月に就任した同町の「復興応援特命大使」として、1日も早い復興を祈り、一曲一曲に特別な思いを込めて熱唱すると同時に、自身の出身地で先月28日に発生した熊本地震の被災地にも思いをはせた。

 満天の星空に、復興の祈りを込めた石川の魂の歌声が響き渡った。1曲目に選んだのは、10代から大切に歌唱してきた“ご当地ソング”でもある「能登半島」。幕開けから力強い歌声を響かせ、「お会いしたかったです。よー、ございました」とあいさつ。仮設住宅に住む1000人弱を含めた約6000人の観客は「さゆりちゃ~ん」の歓声で迎え入れた。

 復興応援特命大使に任命されてから同町のライブは2度目。音楽の力で励ますだけでなく、プライベートでも何度も訪れ、現地住民の力になってきた。「すっかり仲良くなって(訪れると)『お帰りなさい』と言ってくれる。親戚のような不思議な感覚」と交流を深める。この日も、昨年制作した同町の祭り「あばれ祭」のかけ声が入った「弥栄(いやさか)ヤッサイ」を披露すると、観客も体を揺らしながら楽しんでいた。

 復興をより強く願う出来事も起きた。自身の故郷・熊本でも大きな地震が発生。

「今、熊本には行きたくても行けない。とっても心配です」と言葉を紡ぐ。10年前にも同様の経験があることからも「能登だけじゃなく、本当にいつどこで何が起きるか分からない」と懸念する。ステージでは熊本のことを歌った「火の国へ」も熱唱。「能登の皆さんと一緒に熊本も応援したいなと思っています」と力を込めると、観客も拍手で熊本の地へエールを送った。

 思いの丈をこめた約1時間半、最後には美しい花火も打ち上がった。「私のふるさとがもう一つできた気がする。どうぞ皆さん元気でいらしてください」。歌の力が復興の一助になれると信じて―。石川は力の限り歌い続ける。(古本 楓)

 ◆ござれ祭り 1992年から毎年8月に行われる能登を代表する祭りで、今年で28回目。「ござれ」は能登の方言で「いらっしゃい」という意味。

会場にはキリコ(巨大なとうろう)が並ぶ。これまで新沼謙治や、はなわらがゲストとして出演。昨年は渡辺真知子がライブを開催した。

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