28日の日本テレビ系「金曜ロードショー」(後9時)は、昨年公開されて興行収入51億円の大ヒットとなった二宮和也主演の「8番出口」が早くも登場する。累計販売本数200万本超の世界的大ヒットを記録した同名のゲームを映画化。

昨年のカンヌ国際映画祭では、エンターテインメント性の高いジャンル映画を取り上げる「ミッドナイトスクリーニング部門」に出品された。

 地下鉄を降りて改札を出た「迷う男」(二宮)は、地下通路を歩いて外に出ようとするが、いつまでたっても出口にたどり着けない。その時、壁に書かれたメッセージを見付ける。そこには、脱出するための4つのルール〈1〉異変を見逃さないこと〈2〉異変を見つけたら、すぐに引き返すこと〈3〉異変が見つからなかったら、引き返さないこと〈4〉8番出口から外に出ること―が記されていた。

 「0番出口」から始まる通路は、ルールに従えば「1番」「2番」…と順に数字が増えていくが、間違えると「0番」に戻ってしまい、やり直しとなる。「迷う男」は果たして、抜け出すことができるのか―。

 映画化の話を聞いた時には、「”間違い探し”のゲームを、どうやってストーリー仕立てにするのか?」という疑問しか浮かばなかったが、見て「なるほど」。ゲームの世界観を残しつつ、登場人物に最低限のバックボーンを入れ込むことで、「物語」を作り出している。ただ、あくまでも「最低限」であることから、見る側には「?」マークが浮かぶシーンが多数。だからこそ様々な考察がされ、リピーターが出たことで興収がアップしていったのだろう。

 そして、忘れてはならないのは、作品を盛り上げる最高の”スパイス”。劇中で「オジサン」と呼ばれる「歩く男」の存在だろう。

演じる河内大和は、二宮も出演している現在第2シーズンが放送中のTBS系「VIVANT」の最初のシリーズで、ドラマ初出演。バルカ共和国の外務大臣・ワニズとして出演し、一気にブレイクした。

 「歩く男」は、通路の奥から背筋をピンと伸ばし、不気味な笑みを浮かべながらコツコツと足音を立てて近付いて来る。その無機質で、どのシーンでも全く変わることのない動きは、カンヌでは「CGなのでは?」という疑惑が浮上するほどだったという。河内は大学進学先の新潟の劇団を経て上京し、シェークスピアを中心に、舞台で俳優として活動してきた。「歩く芝居」は、そのキャリアの結晶のような役柄だった。

 かつて、本紙インタビューで「同じ芝居を繰り返すのは舞台でずっとやってきたこと。“歩く”表現も、恩人の(演出家)小野寺修二さんの『歩くだけで役の人生を表すことができる』という言葉に感化され、研究を重ねてきた。おじさんは、僕の経験全てが詰め込まれた運命的な役です」と「歩く男」への思いを語っているが、大いにうなずける。「VIVANT」では、ワニズは悪事がばれてバルカ共和国の監獄に収監されたことになっているが、存在感は抜群。第2シリーズで再登場にも期待したいところだ。

 ちなみに、「8番出口」と聞くと記者が真っ先に頭に思い浮かぶのは渋谷駅。

東急東横線が東京メトロ副都心線と相互乗り入れをするために2013年に地下化され、「迷路のようになった」と言われているが、同駅で最も有名なスポット「ハチ公像」の最寄り出口は「8番」に設定されている。これが頭に入っていれば、映画やゲームと違って「迷う男」になることはない!?(高柳 哲人)

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