◆第12回サウジアラビアロイヤルC・G3(10月10日、東京競馬場・芝1600メートル)=10月8日、美浦トレセン

 思い出が詰まった血統でオーナーに恩返しを。ニシノトラノスケを管理する千葉調教師は、並々ならぬ思いを胸にレースに臨む。

 「重賞に挑めるのは本当にうれしい。うちに初重賞をもたらしてくれたゆかりある血統ですし、西山茂行オーナーには感謝しています」。兄ニシノエージェントは開業2年目の25年に京成杯を制覇。厩舎の地盤を築き上げ、さらに発展させていく筆頭格になるはずだった。しかし、喉鳴りが発覚し、志半ばで引退。だからこそ、指揮官は「弟のこの子にはすごく期待はしている。競馬センスだけなら兄よりも上です」とポテンシャルを絶賛する。

 4日の毎日王冠で、西山オーナーが所有するセイウンハーデスが勝ったことにも刺激を受けた。急性骨髄性白血病の闘病を乗り越え、先週3日から7か月ぶりに競馬場への来場を再開したばかりだった。「ハーデスがしっかりと勝ったというのが、より一層良かった。オーナーの元気な姿を見ると、こっちまでうれしくなってくる」と頬を緩めた。千葉厩舎の初勝利となったセイウンプラチナも同オーナーが所有し、「本当にかわいがっていただいているオーナーですし、何とか一矢報いたいです」と力を込める。

 トラノスケという名前には“パワー”が宿っている。今年はプロ野球・阪神タイガースが球団史上初のリーグ2連覇を達成。トレーナーは「乗りに乗っている名前ですし、うちの厩舎で預かれるとは。これも何かの巡り合わせなのかな。話題性も込みで結果を出したい」。“追い風”を背に、オーナーに2週連続の重賞Vを届ける。

(高野 真之介)

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