ヤマタネは8月28日、ヤマタネ本社でオリゼ(東京都、小泉泰英代表取締役)の一部株式を55.0%取得しグループ化したことに関する記者会見を開いた。

ヤマタネの河原田岩夫社長はグループ化の狙いについて、「持続可能な営農の実現に向けた確実な出口戦略の強化のため」と説明した。
アメリカの砂糖代替市場を中心に米麹炭酸飲料を展開するという。

ヤマタネの河原田社長は、オリゼをグループ化した背景と目的について次のように説明した。「従前よりヤマタネグループでは、お米の供給体制の維持について非常に大きな危機感を持っている。その中で我々は“産地の続くを支える”を掲げ、お米のバリューチェーンの拡大に対して積極的に投資している。今回のオリゼのグループ化も、このバリューチェーンを拡大していくという戦略に則った投資となる。

我々は、オリゼの持つお米を原材料とした米麹甘味料に非常に大きな可能性を感じており、そこを起点としてこの投資を決断した。オリゼが持つ“米に新たな価値を提供できる米麹甘味料”は、大きな需要を生み出す可能性がある。日本古来の技術と日本のお米を使った米麹甘味料、これが持つポテンシャルは非常に魅力的。オリゼの事業を通じ、米国マーケットを中心に需要を拡大して、結果的に儲かる農業に貢献する。

ヤマタネグループが目指している“産地の続くを支える”という思いと、小泉社長の“一次産業に貢献したい”という思いが一緒になって、今回のグループ化が実現した。100年にわたって培ってきた信用とネットワークを持っているヤマタネグループと、技術力と圧倒的なスピード力を持っているオリゼがお互い融合することができれば、このお米の世界に新たな需要を創出できる。それがヤマタネグループの成長につながる」。


オリゼは2018年に設立し、米麹関連製品の開発・製造・販売を行っている。米麹発酵糖分である「オリゼ甘味料」を開発した。日本の国菌であるニホンコウジカビから生まれた米麹由来の発酵天然甘味料だ。原料がお米のためアレルギーが起こりにくく、1歳未満の子どもをはじめ、ヴィーガンやベジタリアンも食べられる。古米や廃棄米を原料にしており、発酵技術を通して元の価値より高いものを製造できるという特徴がある。その他、健康面でも優れた特徴として、機能性成分であるレジスタントプロテインが1mlあたり14.6mg 含まれていることが、金沢工業大学との共同研究で確認されている。レジスタントプロテインは、難消化性たんぱく質の一種で、小腸で消化されずに大腸まで届き、食物繊維のような働きをする。白砂糖と比較した際に血糖値の上昇が緩やかになることも示唆されており、カロリーで見ると白砂糖は1g あたり4kcal になるのに対し、オリゼ甘味料は約3.5kcal に抑えられる。

同社はアメリカ市場への展開に注力している。米国では成人の40%が肥満を抱えており、添加糖の摂取率は推奨基準の約2倍を超えているという研究結果が出ている。過剰な砂糖の摂取を減らそうという動きは、消費者の志向を超え、政策レベルにまで広がっている。そうしたことを背景に、砂糖代替市場は足元で3,600億円となり、アメリカが全世界の3分の1を占める巨大な市場になっている。
その市場にオリゼは「KOJIPOP」という米麹炭酸飲料で臨む。甘酒からインスピレーションを受けた飲料で、今年3月にアメリカでのローンチを始めた。KOJIPOP のフレーバーは、「オリジナル」「ピーチパイン」「柚子ジンジャー」の3種類がある。お米由来のブドウ糖100%をエネルギーにし、白麹由来のクエン酸でリカバリーし、発酵由来で生まれるオリゴ糖などによるプロバイオティクス、腸内環境を整えるという3つの柱が商品の設計思想になっている。小泉社長は「2030年12兆円まで成長した市場に、お米の甘みが砂糖や人工甘味料と並び、当たり前に選ばれる選択肢になっている景色をヤマタネと一緒に作っていく。オリゼの米国展開は、ヤマタネの調達、物流の力と合わせることで、大きく加速していく」と展望した。

〈米麦日報 2026年9月1日付〉
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