外食企業の業界団体である日本フードサービス協会は9月10日、政府が進める飲食料品の消費税減税を巡り、外食(店内飲食)との税率差による客離れや現場の混乱を懸念し、発表会を開いた。

2027年4月から予定されている飲食料品の消費税減税では、外食の税率が10%に据え置かれる一方、テイクアウトを含む飲食料品は8%から1%に引き下げられる。
同協会は、外食では店内飲食とテークアウトで税率が異なる「一物二価」の状況が生じるとして、消費者の利用動機や選択肢にマイナスの影響が出ることを懸念している。

会見には椋本充士会長(グルメ杵屋代表執行役社長)らが登壇し、次のように発表した。

「外食は、国内全体の飲食料支出額の3割を占める、日々の暮らしを支える食のインフラです。食料品の消費税引き下げの目的が物価高における生活者の負担軽減であるならば、外食の税率も引き下げるべきです。2019年の軽減税率導入時(税率差2%)には、外食全体でマイナス5.4%、消費者の外食利用の機会が減りました。この税率差が9%になることにより、消費者が外食を選びにくくなる深刻な懸念があります。どうしても食料品と外食(店内飲食)で税率差をつけるのであれば、消費者がこれまでどおり外食を選べるようにするための対策を2027年4月から講ずることを政府に求めます」。

テイクアウトの税率は1%になるため、テイクアウト需要に注力すればいいのではないか、という指摘については、もちろんテイクアウトにも力を入れるとした上で、2年間の制度のために既存の業態を変更することには難しさがあるとした。また、フルサービス型のレストランなど、作り立ての料理をテーブルで提供することに本質がある外食レストランも多いので、テイクアウトですべてを補うことはできないという考えを示した。

また、副会長の秋元巳智雄氏(ワンダーテーブル代表取締役社長)は「飲食料品の税率が1%となるのであれば、外食についても3%や5%など、一定程度税率を引き下げることも検討していただきたい。現在の税率であるテイクアウト8%と店内飲食10%で、2%の税率差だったものが、9%の税率差ともなると消費者の心理的な負担は大きいのではないか。1%への引き下げが難しい場合でも、外食の税率を数%引き下げることで『外食も消費税が下がったから行きたい』という消費者の利用動機につながるのではないか」と考えを示した。


外食産業では、人手不足や最低賃金の上昇、原材料など諸コストの上昇などによって経営環境が厳しくなっていることも指摘されており、消費税減税による客数減少への警戒感が強まっている。同協会は、外食を食のインフラとして維持・成長させるため、消費税率の取り扱いだけでなく、外食産業への具体的な支援策についても政府に検討を求めていく考えだ。
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