2023年4月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。

タクシー配車アプリなどを提供するGOが140億円で1位だった。

複数のマッチングアプリの運営統括を担うエニトグループが86億5,000万円で2位。カフェロボット「root C(ルートシー)」などを展開するNew Innovations、電動キックボードや電動アシスト自転車などのシェアリング事業を手がけるLuupがそれぞれ続いた。ランキングは以下の通り。

(4月に発表された調達を基にしているため、2023年3月以前に資金調達が実施されたものも含まれる)

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1位はタクシーの配車アプリなどを手がけるGOの140億円だった。アメリカの金融大手・ゴールドマン・サックスを引受先とした第三者割当増資で100億円を、三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行とのコミットメントラインにより40億円をそれぞれ調達した。

同社は2023年4月1日にMobility Technologiesから現在の社名へ変更した。

43の都道府県でタクシー配車アプリを展開するほか、運転操作を解析するAIを搭載したドライブレコーダーなどを手がける。調達した資金は、配車アプリの機能強化のほか、次世代事業の開発などに充てられるという。

2位はエニトグループだった。既存投資家を中心とした第三者割当増資と、金融機関からのデットファイナンス(返済義務のある資金)の合計で86億5,000万円を調達した。

エニトグループは、マッチングアプリを運営する企業の組織再編に伴って誕生した。主に20代の男女をターゲットとする「with」を手がけるwithが2月に、競合でもあった「Omiai」を運営するネットマーケティングの株式を取得し子会社化。

その後アプリごとに会社分割を実施し、エニトグループはそれぞれの100%株主として運営統括にあたる。

調達した資金は、ネットマーケティングの株式取得の費用などに活用しているという。今後はIPO(新規株式公開)も視野に入れる。

3位はシリーズAで54億1,000万円を調達したNew Innovations。SBIインベストメントやグローバル・ブレインなど12社を引受先とした第三者割当増資により26億3,000万円を、金融機関からの融資やリース枠の設定などで27億8,000万円をそれぞれ調達した。

New Innovationsは、AIやロボティクスなどを活用して人間が行っていた業務を無人化・省人化する事業を手がける。

2021年4月からは、スマホアプリで指定した時間にコーヒーを受け取れるカフェロボット「root C(ルートシー)」を展開する。顧客のライフスタイルや嗜好に合わせたコーヒーを提案する機能がある。

省スペースのため店舗を設置できない場所にも進出できる点が特徴。同社の発表によると、オフィスビルや駅、商業施設などで設置が進められているという。

2023年 4月時点の年間資金調達ランキング

4月までの資金調達額の合計をランキング形式で並べた。なおこちらは発表日ではなく、原則的に登記簿から取得した調達日と金額を基にしている。

国内スタートアップ資金調達金額ランキング(2023年1-4月)

140億円の調達を実施したGOがトップに立った。

スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去技術の開発などに取り組むアストロスケールホールディングスが132億4,000万円で2位だった。同社は2月にシリーズGとして101億円の資金調達を発表。加えて、4月にはみずほ銀行との間で30億円の融資契約を締結した。これにより、2023年の調達額が130億円を超えた。

アストロスケールホールディングスは発表のなかで、融資を受ける理由について「厳しい資金調達環境にある中で、資金調達手段を拡充するため」と説明。既存のデブリの除去に加え、運用を終えた人工衛星がデブリにならないようにする作業などを含む「軌道上サービス」の実現に取り組んでいく。

同社の岡田光信・CEOはSTARTUP DB MAGAZINEの取材に対し、資金調達に臨む心構えについて語っている。インタビューはこちらから。

6位には、核融合スタートアップ・京都フュージョニアリングが新たにランクイン。同社公式サイトによると、核融合とは水素などの原子核同士が衝突・融合する際に重い原子核ができ、大きなエネルギーが生まれる反応を指す。二酸化炭素を排出しないことから、地球規模の課題とされる脱炭素にも貢献が期待できる。同社は2022年7月に、世界初となる核融合発電試験プラントの建設を発表

24年末に発電実証試験を開始する予定だという。

36億2,000万円を調達したTEGも新たに13位に入った。同社は2022年4月、東京タワー内にesportsテーマパークの「RED゜TOKYO TOWER」オープンしている。資金調達をきっかけに、アジアを中心とした海外拠点の開発やオンライン事業の強化などに取り組んでいくとしている。

ランクイン企業のピックアップニュース

GO

商号変更および新コーポレートロゴに関するお知らせ

https://goinc.jp/news/info/2023/04/01/4qqupdahqvnko5zp26kb2b

New Innovations

New Innovations、事業拡大に向けた経営体制変更のお知らせ

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000046923.html

Luup

東京都とマイクロモビリティ推進協議会が連携協定を締結

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000200.000043250.html

フィナンシェ

株式会社フィナンシェ、大丸松坂屋百貨店やパルコを傘下に持つJ.フロントリテイリング株式会社と資本業務提携の協議開始

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000312.000042665.html

LayerX

LayerX、みずほ銀行主催「Mizuho Innovation Award 2023.1Q」を受賞

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000227.000036528.html

avatarin

J-Startupにavatarinが選出されました

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000057072.html

STARTUP DBは次月以降も引き続き、国内スタートアップ資金調達金額ランキングや主要トピックに関する記事をリリースしていく。

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