東京都内、JR中央線・高円寺駅と阿佐ヶ谷駅の中間、高架下、細い道路を挟んですぐにある賃貸物件「高円寺アパートメント」。元JRの社宅をリノベーションして2017年に誕生したこちらは、隣の部屋に誰が住んでいるか分からないことも少なくない一般的な賃貸物件とはちょっと違う。

宮田サラさん(株式会社まめくらし)が“女将”として自身も入居し、住人同士、そして地域とのハブとなり、以来、少しずつ形を変えコミュニティを育んでいる。
誕生から8年。住人2世帯に「高円寺アパートメント」での暮らしについてインタビューしてみた。

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さおりさん・まさひろさん「二人暮らしだけれど、2人だけの暮らしじゃない感じが心地いい」

1年前に引越してきた、さおりさんとまさひろさんは、交際2カ月目でたまたまこの物件を知った。「芝生があって、みんなで楽しそうに過ごしている、古き良き団地のような写真に惹かれたんです。内見してみたら、部屋に庭まで付いていて(※)、こんな物件なかなか他にない!ってなったんです。当時はまだ別々に暮らしていましたが、これを機に一緒に住むのもアリじゃないかと即申し込みました」とさおりさん。

※B棟1階の住戸のみ

名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今

建築系雑誌の編集者であるさおりさんと開発職のまさひろさん。この写真の庭が引越しを決めた一番の理由(写真撮影/相馬ミナ)

コミュニティの在り様にも惹かれた。
「私たち2人だけで暮らす、という感じじゃないのがいい。(一般的な賃貸住宅のように他の住人との交流を持たず)暮らしが2人だけに閉じているんじゃなくて、他の住人にも開かれた環境っていいなぁ、って思ったんです」(さおりさん)

最初に参加したのが、高円寺アパートメントで開催している「蚤の市」(マルシェ)を開くための住人たちによる作戦会議。
「といっても、私たちはぜんぜん戦力にはなりませんでした。

ほかのみなさんが『こんなふうにレイアウトをしたほうが動きやすいんじゃないか』とか、『じゃあ、宣伝のPOPは私が描きますね』と会議を進めるのを横目に、2人してお菓子を食べているだけでした(笑)。『え、この方たち、イベント会社のスタッフじゃなくて、住人なの?』ってびっくりしたんです」(まさひろさん)

名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今

蚤の市の中の住人フリーマーケットでは、引越し後の不用品を販売。これも他の住人たちとの交流のきっかけになった(画像提供/高円寺アパートメント)

「今も私たちは集まりに毎回参加しているわけではないんですよ。ただ、お隣さんが、自分のユーカリの木を剪定した枝を『ご自由に持って行ってください』とお庭に置いているのを見て、あ、そういう交流なら私たちもできるな、って思ったんです。私たちも庭で採れた野菜やハーブを自由に持って帰ってもらったりするようになりました。そうしたら、お礼にお菓子をもらったりして、わらしべ長者みたいなんですよ(笑)」(さおりさん)

名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今

室内外で約90種類の植物を育てている。「お隣さんのお庭を参考にさせてもらったり、手入れの仕方も質問させてもらっています」(さおりさん)(写真撮影/相馬ミナ)

名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今

(写真撮影/相馬ミナ)

「引越し直後に、お隣さんから『おはようございます』って挨拶されたのが凄く印象的で。これまでの賃貸では隣に住んでいる人がどんな人か全然知らなかったですから。お隣のお子さんのお友達が、庭から部屋に『遊ぼう♪』って声を掛けているのを見て、なんかいいなぁって思ったんです」(まさひろさん)

ほかにも、住人同士の食事会に参加したり、アニメ映画や恋愛リアリティ番組をみんなで観たり。
「興味があれば行くし、忙しければ行かないし。それくらいの関係性がちょうどいいんです」(さおりさん)

最近では、「お世話お願いグループ」というLINEグループをつくり、年末年始の帰省で数日間家を空けたときには、植物の水やりや熱帯魚のエサやりをお願いしたこともある。

「もしかしたら、コミュニティって言葉だと少し強いかもしれません。

近所の方が『ご近所さん』になる感じ、でしょうか。最初に思い描いていた、2人だけで暮らしているわけじゃない、ご近所さんが日常にいる。この感じがとても心地いいんです」(さおりさん)

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DIYの食器棚。住人同士で「家見学ツアー」をして、インテリアの参考にすることもあるそう(写真撮影/相馬ミナ)

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タイルが洒落た、ミニマムな「tool box」のキッチン。備え付けの天井のレールには照明だけでなく、自由に植物も飾って(写真撮影/相馬ミナ)

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動物好きで、インテリアにはさまざまな動物モチーフが並ぶ(写真撮影/相馬ミナ)

みゆきさん、ひろきさん「豊かさとは何か、住まいとそこに住む人達との関係の理想形を知った気がします」

6年前から「高円寺アパートメント」で暮らしている、みゆきさん・ひろきさん夫妻。暮らし始めたきっかけは、以前、みゆきさんの友人がここの5階に住んでおり、その友人が引越すタイミングで空室が出ると聞いたことから。

「その友人はここでルームシェアをしていたんですけど、何度か遊びに行くうちに、住人同士の仲の良さにびっくりして。まるで自分の家のように気軽に出入りするんですから。他者を受け入れる空気感が、なんだかいいなぁって思って、住んでみたかったんです。当時私は実家暮らしで、『空きが出たからすぐ契約して』って、急いで彼に先に入居してもらったんです」(みゆきさん)

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みゆきさんとひろきさんは、2人とも建築家。「建築家として、どんな家に住むべきか、ずっと考えていました。“自分の部屋だけで完結しない場所がいいな”とぼんやり考えていたなか、この物件と巡り合いました」(みゆきさん) (写真撮影/相馬ミナ)

一方で、実はあまり事情を詳しく知らないまま引越した、ひろきさん。引越しの1週間後、ほかの住人たちに近所で開かれた盆踊りに誘われ、参加した。


「その帰り、そのままご近所さんがうちに集まることになったんです。総勢約20名。どうも元の住人が住んでいたころは、うちの部屋が住人達のたまり場なってたみたいなんです」(ひろきさん)

ほぼ自分だけ初対面、いわば完全アウェイの状態だったひろきさんだが、むしろこの状況を楽しんでいたそう。「本当に、コミュニティの過剰摂取(笑)。僕は以前の住まいもシェアハウスだったこともあり、人との交流はウェルカムの性格なので、すごく面白いと思いました」

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これが盆踊り後の写真。まだ入居間もなく、家具もそろっていなかったなかでの宴会となったそう。同じ物件に暮らす人だけでなく、元住人も含めて住人たちが大集合(画像提供/本人)

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こちらはマルシェの打ち上げも兼ねて、たくさんの人が集まった日の玄関。靴が多くて、ドアが閉まらない。玄関という境界が無くなった日(画像提供/本人)

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「流しそうめん」も恒例行事。「里山に竹を取りに行くのを手伝ったこともあります」(ひろきさん) (画像提供/高円寺アパートメント)

「建築の学生時代から『暮らしを開いてまちと繋がること』『人が生き生きと人や空間と繋がること』をよく考えていました。でも、実際はよく耳にするコミュニティーという言葉に半信半疑でした。設計者が可能性を感じて意図的に人が集うことができる場を設けても、必ずしも活用されるとは限らないじゃないですか。

でも、ここでは敷地の隅から隅まで住人や近隣の方に使い倒されているではないか、と感動します。それは”つくり込まない”こと。住人たちが自分たちで生み出す、”余白”のようなものが、この高円寺アパートメントにはあり、ゆるく全体を繋いでいるのだと思います」(みゆきさん)

例えば、もとは駐輪場だった鉄骨を残すと屋台のように使われたり、遊び場になったりする。数段の階段はベンチ代わりになり、住人がDIYでベンチをつくってくれたこともある。

「“おしゃれなかっこいい家” は世の中にたくさんありますが、こんな、気取らない普段着のような家、敷地のどこまでも生活の延長線上にある家が、私には楽しい。結局は、どんな人が暮らして、他者がいることでどんな風に関わっていくか、顔の見える関係を築くことに尽きると思います。100人いたら100通りの暮らし方があって、その状態が高円寺アパートメントの風景になっていくのだと思います。」(みゆきさん)

名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今

なぜか建築畑の住人が多いことから発生した「建築模型づくり」は定期的に開催されるマルシェの展示として開催。「“自分たちからなにかしら発信していこう”とスタートしたもの。みんな自分の仕事が終わった後に集まって作業する。まるで”大人の文化祭”のようで、楽しかったです」(みゆきさん) (画像提供/本人)

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「テレビを見せたくない」(みゆきさん)と「テレビは絶対必要」(ひろきさん)の対立する希望を満たすため、押し入れを改造し、下の段にテレビコーナーを設けたアイデア。押入れの襖を外したことで空間が広く感じるようになった(画像提供/本人)

自分も暮らしながら、人と人と繋がりを育む「女将」の存在

そして、このコミュニティの中心にいるのが、宮田サラさん。この物件に自分も実際に暮らしながら、管理でなく、住人同士、住人と地域コミュニティづくりに取り組んでいる。完成当初から住み続けて約8年。

住人の方にインタビューすると「サラちゃん」「サラさん」と、必ず名前が上がる――役称は「女将」だ。

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株式会社まめくらしの宮田サラさん。高円寺アパートメントの住人たちの関係づくりや、地域に開く場づくりを担っている(写真撮影/相馬ミナ)

それにしても「自分自身も暮らす」というのはどうして?
「当初は、通いで、という話だったのですが、そもそもこの土地も地縁がまったくなくて、自分自身も当事者 になって”日常にいる存在” にならないと、難しいんじゃないかと考えて、『むしろ住みながらやらせてください』ってなったんです」

とはいえ、当初は苦戦した。入居募集時はまめくらしがどう関わるか確定していなかったので、コミュニティのある物件を目指していることを発信できない状況だった。そのため、高円寺アパートメントが何を目指しているのか理解はあまりされていなかったのだ。

「最初は、『同じ釜の飯を食べようの会』と称し、運営側がご飯を用意し、住人にはお箸、お茶碗、料理一品を持参してもらい、互いを知る機会としました。この会をきっかけに、同時期に店舗兼用住宅でお店を開く予定だった住人と『おひろめマルシェ』をしようという話になり、これが、現在1年に1回開催されるマルシェの始まりになりました」

名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今

地域の人々が訪れる「核」となるのは、「食」でもある。中でも、自家製クラフトビールと本格スパイス料理が美味しいと評判の「アンドビール」は土日には行列が絶えない人気店(写真撮影/相馬ミナ)

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毎年春に開催されている「マルシェ」。住人が企画・運営して、地域の人々と交流を持つ。次回は5月31日に開催予定(画像提供/高円寺アパートメント)

そのうち少しずつ、住人同士が同じ趣味や、気軽に参加できる映画鑑賞会、ご近所さんが気軽にできるフリマなどを通して、つながりが増えたという。

「住む前はそういった活動には消極的だった住人の方も、『他人と関わるのが嫌なら、他人じゃなくしてしまえばいい』と、積極的に関わってくれています。その方はライターという仕事を活かして、『勝手に高円寺アパートメント』っていうフリーペーパーをつくってくださったんですよ。

しかも自費で。そのうち印刷代を他の1階の店舗の方々がカンパしてくださるようになりました」

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「くらしのおすそわけ」をコンセプトにした雑貨店「まめくらし研究所」は、宮田さんが「気軽に立ち寄れる場をつくりたい」と始めた雑貨店。みんなが自由に過ごす「開かれたのリビング」のような役割も担っている。「まめくらし研究所」のほか、自家製ビールとスパイスカレーを提供する「アンドビール」やフルーツサンドが名物の焙煎コーヒー店「JULES VERNE COFFEE」などのテナントがある(写真撮影/相馬ミナ)

入居8年で、広がり続ける「ご近所さん」が日常を彩る

入居開始から8年たち、当初は子どものいる世帯は1組だけだったが、現在は10組程度へと増加。子どものいる世帯が増えると自ずと付き合いの親密度は加速した。
「例えば、2人目が生まれるタイミングで、私含め住人同士で上の子の保育園の送り迎えを分担したり。ベビーゲートも、使い終わったら次の家庭におさがりが回って、何人の赤ちゃんを守っていたか(笑)」

そのうち、「他にはないコミュニティのある集合住宅」としてメディアで取り上げられることが増え、こうした人付き合いを求めて入居してくる人も増えてきた。

例えば地震が多発した時期には、住人の方からの要望があり、専門家を招き「防災ワークショップ」を開催。備蓄や避難、連携方法について話し合い、住人有志で「防災マニュアル」を作成。定期的に行う防災訓練では、普段あまり顔を出さない住人も参加し、顔見知りを増やすきっかけになっている。

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災害時、賃貸でお隣さんは助けてくれる? 住人同士で防災計画をつくる「高円寺アパートメント」

「マルシェのほかにも、流しそうめん、お花見、餅つき、バー企画といろいろ。お子さんがいる住人が発起人となり2~3カ月に一度行う『定点撮影会』は、家族の成長記録にもなっています」

コロナ禍では、マルシェなど各種イベントの開催は難しかったが、このアパートメントの強みも実感した時期でもあったと宮田さんは振り返る。
「例えば、 普通の一人暮らしで、オンラインで仕事していたら、 本当に誰とも会話しない毎日だったと思う んです。でも、ここだったら芝生に出たら誰かしらと顔を合わせるし、屋外だからちょっと距離を保ちながら、 おしゃべりしたりできる。日常の中に誰かと顔を見て話をする。そんな当たり前への安心感があったと思います。ああ、これまで私たちがやってきたことは間違いじゃなかった、って実感しました」

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取材中も、常に住人、地域の人、お店の常連さんとおしゃべりしていた宮田さん(写真撮影/相馬ミナ)

関わりの濃度はグラデーション。関わり合いが緩やかに変化し続ける

とはいえ、高円寺アパートメントは賃貸住宅だ。仕事の都合で住み替えたり、子どもが小学校入学のタイミングで手狭に感じ、住み替える世帯は多い。新しく入居してきた住人のなかには、既に出来上がった人間関係に躊躇してしまうケースもあった。もちろん全員が全員、こうしたコミュニティに参加しているわけではない。

名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今

(撮影/相馬ミナ)

「2割ぐらいの方は、ほとんど参加しません。でもそれはそれで良いと思います。それでも防災に関する催しには参加する方もいますし、新しく入居してきた方には、『フリマで1品だけでも出店してみては?』とか、本当に小さなイベントで負担のないものからお声かけします。すごくコアに参加してくださる方はいますが、関わり方はグラデーションです。とはいえ、同じ住人なのに、イベントを運営するホスト、遊びに来るゲスト、といった関係性にはしたくないんですよね。また、常に住人が変化することは、常に新しい風が吹いて、良いことだと思います」(宮田さん)

関わり合う人は徐々に変わっても、”人と人がつながる場”が持続しているのはなぜだろう。

「それは、とにかくサラちゃんがいることが大きいと思いますよ」とは、前出の住人みゆきさん。
「例えばコーポラティブ住宅なら、住人がすべて同じような熱量でイチからつくらなければいけないじゃないですか。その分、自由でもあるけれど、大変でもある。ここは、軸になるサラちゃんがいてくれるので、関わり方はその都度、自分で選ぶことができるんです」(みゆきさん)

名物賃貸・高円寺アパートメント8年の軌跡。「住人同士は“ご近所さん”、その距離感が心地いい」マルシェ・食事会などで育てた日常は今

宮田さんたちが常駐する「まめくらし研究所」は「映画鑑賞会」などを開く住人たちの集合場所でもある(撮影/相馬ミナ)

住人は変わっていくが、実は、引越していった元住人のなかには、マルシェなどのイベントごとがあれば顔を出す人も多く、すでに「ご近所さん」の枠を超えた友人になっている人たちも多い。

現在、隣接する土地に、新しい賃貸住宅を建設中。しかも、こちらは主に単身用住宅。屋上や共用ラウンジもあり、1階のラウンジは、既存の住人も利用可だ。
「既存の高円寺アパートメントは主に2人暮らし、3人暮らしといった家族向け住宅でしたが、今度はシングル層が多いでしょう。属性の違う関わり合いがどんなふうに育っていくのか楽しみです」(宮田さん)

●取材協力
高円寺アパートメント
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