本日は「冒険家の日」。植村直己のマッキンリー単独登頂、同志社大学の南米アンデス・アマゾン遠征隊によるアマゾン川源流からのボート下り、そして堀江謙一による小型ヨットでの太平洋横断が、すべてこの日に達成したことにちなんでいる。
世界各地の未開の地へ次々と足を踏み入れてきた冒険家たち。しかし、いまだに人類が誰ひとり辿りついていない山=未踏峰が存在するという。今回はそんな未踏峰をいくつかご紹介したい。
【梅里雪山】
中華人民共和国雲南省デチェン蔵族自治州に位置する連山の総称。標高6740m。宗教的には、カイラス山と並ぶチベット仏教の聖地となっている。三江併流の険しい地形やモンスーン地帯特有の厳しすぎる気候の為に、過去の登頂は全て失敗。1991年に京都大学の登山隊が大量遭難死した。地元では「神聖な山を汚す存在」として登山隊を嫌う風潮が根強い。
【カイラス山】
チベット高原西部(ンガリ)に位置する独立峰。標高6656m。チベット仏教徒による信仰の山である為、登頂許可が下りない。
【キュンガリ】
中国・チベット自治区の国境に近いネパールのヒマラヤ山脈にある未踏峰。標高6599m。ネパール政府が作成した未踏峰リストに掲載されているが、現地の人にも知られていないという。静岡市山岳連盟所属の辻秀信氏が、2013年秋登頂を目指す。
【ザンスカール】
インド最北部にあるジャンム・カシミール州のラダックと呼ばれる地域の中にある未踏峰。標高6165m。南はヒマラヤ山脈、北はカラコルム山脈に囲まれ、火山脈の影に隠れて過去に登られていない。日本山岳会学生部が、現在登頂を目指し遠征している。
未踏峰への登山は危険と困難を伴うが、成功すれば、その名が歴史に刻まれることは間違いない。名だたる冒険家を輩出してきた日本から、ぜひとも未踏峰への登頂者が出ることを願いたいものだ。