東京都西東京市にあり、東久留米市、そして埼玉県新座市の市境近くにあるのが「ひばりヶ丘」駅。池袋駅から急行で2駅15分という立地で利用者の多い駅である。
スイーツ番長(以下、番長)「ニューオープン、おめでとうございます。ひばりヶ丘は初めてなのですが、高層マンションも建ち、PARCOなど商業施設もあり大きな街ですね。」
池田憲彦シェフ(以下、池田)「ひばりヶ丘の駅名は1959年(昭和34年)に東京都西東京市、東久留米市にまたがるエリアに日本住宅公団が造成した公団住宅“ひばりが丘団地”に由来します。ひばりが丘団地は当時の国内最大級のマンモス団地で、市の出張所や学校、商店街、緑地公園、野球場・テニスコートなどを敷地内に擁し、その後の住宅公団の都市開発のモデルともなったそうです。現在は老朽化が進んだために”ひばりが丘パークヒルズ”へと建て替えが行われています。駅前のタワーマンションは都営住宅跡地の駅前再開発で完成しました。」
番長「すごくお詳しいですね、地元なのでしょうか?」
池田「出身地は静岡県です。ひばりヶ丘は妻の実家があり、都内のパティスリーでシェフをしている当時から近隣に住んでいましたので、いつかはこの地で店を持つのが僕と妻の夢でした。」
番長「店名の”W・ON(オン)”ですが、どういう意味なのですか?」
池田「”W・ON(オン)”とは”穏やか”の穏です。日本人が、良いな、素敵だなと感じる“色・形・香・食感”をお菓子に活かし、それを通して”穏やかで幸せなひととき”を広めたい、と、想いを込めました。”W”は和を意味し、それを店名としました。」
番長「ひばりヶ丘には、人口の割にはケーキ屋さんが極端に少ないエリアという印象がありますが?」
池田「確かにその様で多くのお客様に、”本格的なケーキ屋ができるのを待ち望んでいた”といううれしいお言葉を沢山いただいています。オープン当日はチラシを配ったこともありますが、先着100名様に用意したプチギフトがあっという間になくなってしまいました。今でも通りがかりに店内をのぞいてくれる方が沢山おられます。」
番長「地元待望のケーキ屋さんですね(笑)。」
池田「はい、とてもとてもうれしくありがたいことです。僕は会社員から専門学校も行かずに転身した、業界的には遅咲きで異色な存在ですが、だからこそ周りのパティシエのみなさんに追いつけとばかりに、一生懸命にやってまいりました。
店が面する南口から延びる谷戸新道沿い周辺も、民間の大規模マンションや戸建て住宅の建設が続いており、さらなる発展が見込まれているひばりヶ丘周辺。穏やかを意味するパティスリー オンは、そのお菓子と存在で、温もりという”温(オン)”もこの街にもたらしているようだ。
●ショコラ フリュイ ルージュ(320円)
鮮やかなフランボワーズレッドのケーキは、見た目のインパクトとは裏腹にとてもマイルド。フランボワーズなどベリー系のチョコレートムースは、口どけも素晴らしくカカオの酸味と香りをうちけさない見事なバランス。赤に金粉が日本の雅を思い起こさせる。
●オレンジーナ(380円)
クリームチーズベースのムースにオレンジを果汁を用い、グランマニエでマリネしたフレッシュオレンジを中に仕込んだ、オレンジを全体に行きわたらせた爽やかな美味しさが広がるケーキ。
●ラム・レザン(380円)
いわゆるラムレーズンのケーキ。しっかりとラムを効かせ甘さもそれに合わせた、子どもには分からないパンチのあるケーキ。大人の寛ぎの時間にコーヒーとともに楽しんでほしい。
※価格は変更となる場合があります
シェフの「街のお気に入り」 街のパン屋さん「ケーキ屋さんは少ないのですが、ひばりヶ丘駅周辺にはチェーン店や個人店をはじめ、沢山のパン屋さんがあります。当店の道路を挟んだ向かいのIttoku Bakery(イットク ベーカリー 東京都西東京市谷戸町2-10-3)は特に地元に大人気で僕も大好きです。
1972年静岡県に生まれる。高校卒業後寝具販売会社に就職するも、24歳の時に都内のパーラーローレルに入店。その後都内有名店で修行、2003年ル・シャン・ド・ピエールのシェフパティシエに。2008年同店統轄シェフに就任。2011年ル・シャン・ド・ピエールがプロデュースするC*Lab Projectの立ち上げに携わり、シェフを兼任。2012年10月自店「パティスリーオン」をオープン。ShopData
PÂTISSERIE W・ON(パティスリー オン)
東京都西東京市谷戸町3-10-2 クレールひばりヶ丘1F
Tel. 042-439-8420
営業時間10:30~19:30 定休日火曜
西武鉄道池袋線ひばりヶ丘駅下車徒歩8分
HP:http://www.patisserie-won.jp/
※テイクアウトのみ
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