●横浜中華街で古くから販売されている「焼豚」は、中華街土産として大人気。そこで、焼豚の名店として知られる3店の味を食べ比べてみた。

 横浜中華街のお土産と言えば、中華菓子や肉まんなどを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は古くから店頭でテイクアウト用の焼豚を販売する店もあるなど、焼豚は横浜中華街における“土産惣菜の最高峰”と言っても過言ではありません。

 年末年始には、焼豚目当てで数時間待ちの長蛇の列ができる店もあり、その支持の厚さがうかがえます。ここでは、横浜中華街で焼豚が人気の名店を3つピックアップ。食べ比べながら個性と特徴に迫ります。

中華街大通りの『一楽』の焼豚

横浜中華街の「焼豚」はどこの店が旨いのか? 人気の店3軒を食べ比べてみた
『一楽』の店内の様子。テイクアウト用焼豚がゴロっと並んでいます。『一楽』の「焼豚」は今回2190円

 中華街大通りに店を構え、連日多くの観光客で賑わう中国料理店『一楽』。こちらのお店では、多彩なメニューの中でも特に肉料理が評判で、中でも丁寧な仕込みで軽めに焼き上げた焼豚が人気です。店内にはテイクアウト用の焼豚がゴロっと並び、すぐに購入することができます。

横浜中華街の「焼豚」はどこの店が旨いのか? 人気の店3軒を食べ比べてみた
しっかりとした下味を感じる一方、肉の旨みを引き上げるためか軽めの焼き加減です

『一楽』の焼豚を一口頬張ってまず感じるのが、仕込みで使われていると思しき“お酒感”。これが肉本来の旨みを引き出しています。焼き加減は軽めですが、炭火特有の香ばしさは肉にもほどよく移っており、肉の弾力と焼豚ならではのスモーキー感が同時に味わえるハイレベルな仕上がり。売り切れ必至の一品です。

●SHOP INFO

店名:一楽

住:神奈川県横浜市中区山下町150
TEL:050-5869-4183
営:11:30~15:30(L.O.14:30)、17:30~21:30、土曜11:30~16:30(L.O.15:30)、17:00~22:00(L.O.21:00)、日・祝日11:30~16:30(L.O.15:30)、17:00~21:30(L.O.20:30)
休:月曜、第三火曜(※月が祝日の場合は翌日定休)

老舗『同發本館』の「焼豚」

横浜中華街の「焼豚」はどこの店が旨いのか? 人気の店3軒を食べ比べてみた
『同發本館』のショーウィンドウにぶら下がる焼豚

 中華街大通りで『一楽』と合わせて“焼豚がうまい店”として知られるのが老舗『同發本館』。連日行列が絶えない人気店です。店頭にはテイクアウト用の焼豚がたくさんぶら下がっており、ビジュアルだけで食指をそそられます。

横浜中華街の「焼豚」はどこの店が旨いのか? 人気の店3軒を食べ比べてみた
「焼豚」。今回は1980円

『同發本館』では店内での食事の並びは店頭に向かって左側。焼豚などのテイクアウト惣菜を購入するための並びは右側になります。老舗ならではの技術が光る「焼豚」は100g=600円。個体ごとに価格が変わってきますが、今回は1980円の焼豚を購入しました。

横浜中華街の「焼豚」はどこの店が旨いのか? 人気の店3軒を食べ比べてみた
ギュッと締まった赤身がたまりません。“ザ・横浜中華街の焼豚”と言うべき優等生的な味わい

 開封するとスモーキーな甘い香りが広がります。いざ口にすると、表面に塗られた紅糟の甘さ、炭火のほろ苦さ、熟成度が高いのに嫌味が一切ない肉の旨みが複雑に入り混じる絶品。

スライスのままでも十分美味しいですが、みじん切りにして炒飯の具として炒めれば、プロの味に近づけられそうな予感。まさに“ザ・横浜中華街の焼豚”と言うべき優等生的な焼豚と言えるでしょう。

●SHOP INFO

店名:同發本館

店名:同發本館
住:神奈川県横浜市中区山下町148
TEL:045-681-7273
営:11:30~21:30(L.O.20:30)、土・日・祝日11:00~21:30(L.O.20:30)
休:なし

食通も唸る名店『金陵』の焼きたて「焼豚」

横浜中華街の「焼豚」はどこの店が旨いのか? 人気の店3軒を食べ比べてみた
『金陵』の「焼豚」今回は1463円

 横浜中華街の焼豚と言えばハズせないのが、関帝廟通りの名店『金陵』。もともとは『金陵酒家』という中華街大通りの中華レストランでしたが、のちに現在の地に移転。移転後はイートインもあるものの、焼き物や弁当などを中心としたテイクアウトメインの店になりました。以前の店の時代から“焼き物の『金陵』”という評価が高く、絶大な支持を誇る名店でもありました。

 特に移転してからは、さらに焼き物の支持が集まり、年末年始は数時間待ちの行列ができることでも有名。

実は筆者も毎年、事前予約で購入する金陵ファンです。今回、改めて焼豚を購入。価格は100g=590円ですが、予算に応じて適宜カットしてくれたり「脂身の多い部位・少ない部位」など希望に応じて提供してくれるのも嬉しいところです。

横浜中華街の「焼豚」はどこの店が旨いのか? 人気の店3軒を食べ比べてみた
購入時はまだ温かく、焼き立てであることが伝わってきます

 購入時は、まだ焼豚に熱があり、焼きたてであることが強く伝わってきます。持ち帰った後、カットしていただきましたが、食感はプリップリ。鮮度抜群なことがよく伝わってくる一方、しっかりとした味付け。

甘さと塩味、そしてほのかな中華香辛料の味のバランスが秀逸で、一度食べるとヤミツキになります。

 営業時間中の後半には売り切れてしまうこともあるので、確実に購入したい場合は事前予約するのがオススメです。

●SHOP INFO

店名:金陵

住:神奈川県横浜市中区山下町131
TEL:045-681-2967
営:11:40~19:00(イートインはL.O.18:00)※売り切れ次第終了
休:月曜

豚以外の焼物や蒸し物もまたオススメ!

横浜中華街の「焼豚」はどこの店が旨いのか? 人気の店3軒を食べ比べてみた
(左)高級店『重慶飯店』の蒸し鶏。(右)『同發本館』のダックの焼物[食楽web]

 ここまで横浜中華街の焼豚に定評のある店を3つご紹介してきましたが、各店あるいは別の店では、豚以外にも蒸し鶏、ダックの焼物、ガツやモツなどのホルモン系焼物を売る店も多くあります。これらもまた横浜中華街ならではの味わいなので、焼豚と合わせてテイクアウトしてみるのも楽しいはず。

まとめ

 どの店の「焼豚」も味や個性、特徴は異なりますが、さすがは名店と言われるだけあり、いずれも絶品揃い。ぜひ横浜中華街を訪れた際は、各店の「焼豚」をテイクアウトしてあなた好みの一品を見つけてください。

(取材・文◎もっち、松田義人(deco))