ここ数日は晴天続きですが、これから本格的な雨のシーズン。そんな中、雨水自宅でためて使う「雨水タンク」の設置を後押しする自治体が相次いでいます。

雨水タンクとは?

まず、雨水タンクとは、どんなものなのか。神奈川県相模原市にある雨水タンクの専門店、シップスレインワールド株式会社 代表取締役 中山 義光さんに聞きました。

シップスレインワールド株式会社 代表取締役 中山 義光さん

イメージとしたら雨樋の途中にソケットのようなものを取り付けて、そこから水を取り出せるような装置。(形は)うちは、よくある海賊が持ってる樽がほぼ9割がた。あとはドラム缶のようなもの、宇宙的なデザインの、レンガ調の四角いキューブ状のようなものがあって、家の壁とマッチするようなものもあります。当社の場合は8割がたは庭作りの一部として使っている事例が多い。花の水やり、打ち水、あと車を洗うとかちょっとしたものを洗う。いざというときの水、防災目的も結構多いですね。

     

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梅雨前に考える 雨水タンクという備え

雨水タンクは、ただの大きなバケツではなく、雨どいの途中から水を取り込んで、庭先のタンクにためる仕組みです。私も実際に工場で実物を見せていただいたんですが、一般的な200リットルサイズで高さが1メートル20センチほどあり、想像以上に大きくて存在感がありました。価格は安いものなら2万円台からありますが、中には8万円台のものも。

        

梅雨前に考える 雨水タンクという備え

ボウフラ対策と置き方の注意点

ただ、外に水をためるとなると、やはり気になるのが、蚊やボウフラです。特にこれからの時期、庭やベランダの水たまりでも蚊が発生しやすくなります。雨水タンクの虫の対策や、また、DIYする際の思わぬ危険性について、再び中山さんに聞きました。

シップスレインワールド株式会社 代表取締役 中山 義光さん

ボウフラは蚊が中に入らないと、卵を産まないので湧かないんですよ。基本的には。タンクは密閉されてて、蓋が開きっぱなしとかじゃなければ蚊は入っていかないのでボウフラは基本的には湧かない。不用意に蓋を開けたりしない。あとオーバーフロー、タンクから溢れていく水のところも、ちゃんと網目でガードしておく、防虫網、網戸の網を切ってまいておくとか。家庭でも網戸があるから蚊が入ってこないのと同じ発想で、網戸があれば蚊は入ってこない。注意しなきゃならないのは、DIYで作ったりして(蓋が開くような場合。)逆さまに覗き込んだときに落っこちたら、腰がハマって抜けなくなる、子供が触れるようなところに置くと、事故になりかねない。あとは倒れるのを気をつけなきゃいけないから、コンクリートのブロックか何か置いて安定性確保した方がいい。

家の網戸と同じ発想で、しっかり密閉された専用品なら虫の心配は少ないそう。一方で、費用を浮かせようと安易にDIYするのは禁物です。お子さんの転落事故を防ぐためにも、簡単に蓋が開かない安全な専用タンクを選び、倒れないようブロックなどでしっかり固定することが大切です。

ちなみに、各地で水道料金の値上げも相次ぐ中で雨水タンクで溜めた水は、水道代の節約にもつながるのか、と聞いてみましたが、残念ながら、節約効果は大きくありません。中山さんの計算では、一般的な200リットル前後のタンクで節約効果は月に50円から100円ほど。元を取るためというより、いざという時の水を備えるものと考えた方がよさそうです。

       

梅雨前に考える 雨水タンクという備え

雨を流す前に「家」で受け止める

ただ、雨水タンクには節約以上の重要な機能があるため、設置を後押しする自治体が複数あり、そのひとつが東京都武蔵野市です。どんな狙いがあるのか、武蔵野市 環境部 下水道課 上島 拓也さんに聞きました。

武蔵野市 環境部 下水道課 上島 拓也さん

集中豪雨がありまして、そういったときの雨っていうのはどうしても川に流れるということになります。ただそれを少しでも時間をずらすと結構流れたりする。そういう時間を稼ぐのに雨水タンクを使うと、それを溜めてる間に「ピークカット」(雨水が一気に下水に流れ込むのを防ぐこと)」っていうんですかね、少しそれができるということで浸水の対策になる。そういった意味では下水道管に入る雨水の量を減らして、都市型水害の軽減を図ることを目的としまして、各ご家庭で積極的に雨水利活用を取り組んでいただくと。基本的には他の市に比べると平坦ですけど。ただ、大きな川がなくて、降った雨水は近隣の都市の川に流すということなんで、なるべく他の自治体とか下流の方に迷惑かけないように、今回、雨水タンクの助成制度を強化ということでやってるとこでございます。

つまり、一気に流れる雨を、家のタンクで少し足止めするという考え方です。

武蔵野市は2009年からこの助成制度を長く続けており、今年4月から、助成金を増額して設置を後押ししています。タンクの大きさによって上限は変わりますが、150リットル以上なら最大6万円、150リットル未満なら最大4万円。業者に設置を頼む場合は、設置費の一部も助成の対象になります。武蔵野市内の雨水タンクが現在330基ほどあり、全て機能すれば、それぞれお風呂1杯分、つまり全部でおよそ330杯分もの雨を一時的にせき止められる計算だそうです。 武蔵野市以外にも世田谷区、墨田区などが雨水タンクの補助をしています。

     

梅雨前に考える 雨水タンクという備え

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

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