TBSラジオからバービーがお送りする「週末ノオト」(毎週土曜13:00-14:55)
オープニングでは、バービーがこの1週間に起きたこと・考えたことを振り返ります。(毎月4週目のパートナーは、山内あゆアナウンサー)
バービーがおこ!その理由とは・・・?
バービー:今週はね、ちょっとバビたん“おこ”です。
山内:はい。
バービー:日本では、「掻爬法」というやり方が8割だったんです。
山内:高校生の時だったと思いますが、妊娠中絶の手術現場の映像を保健体育の授業で見たんですけど、結構な金属の器具を使って、要するにかき出す形のやつですよね。
バービー:そうですね。知っている方は結構ショッキングで心に残るような方法なんですけど。これが日本では8割で、このやり方は実は「母体に負担がかかる」という理由でWHOは推奨していないんですね。しかも、費用が10万円~20万円ということで、女性が自分の身体を守るためにもどうなんだろうという議論がもともと日本でもあったんです。

バービー:署名活動なんかもこの1~2年でしていたということだったので、今回のこのニュースは「やっとか!」という感じで結構「あら、動いたわね!」って感覚のある人もいると思うんですけど、ここでもちょっとがっかりすることが起こっちゃったんです。日本産婦人科医会の反応なんですけど、態度として「処方は当面入院が可能な医療機関で中絶を行う資格のある医師だけが行うべき」だとしていて、ここの木下会長さんがおっしゃるには「医師は薬を処方するだけでなく、排出されなかった場合の外科的手術などその後の管理も行うので、相応の管理料が必要だ」と言って、薬の処方にかかる費用が10万円程度かかる手術と同等の料金設定が望ましいという考えを示したということなんです。
山内:要するに、これは飲み薬ですよね?飲み薬を処方してもらって、管理をしてもらうので10万円っていうこと?
バービー:世界での平均価格はなんと740円。
山内:ええっ!違いすぎ。だって、この薬は結構世界でも広く処方されているんですよね?
バービー:認可がおりようとしているこの薬に関しては、世界80か国ぐらいがもう使用しているという安全性が認められたもので。WHO的にも安全で効果的だとして「必須医薬品」に指定しているんです。世界ではもうスタンダードな形となっているけど、なかなか日本では認可されないという状態が続いていました。
山内:だから、値段が海外で安いというのも、「とても一般的」と言えるかまではわからないけども、「安価な方が使いやすい」とかっていう理由があるからですよね。
バービー:うん。そうです。安価かつ、母体へのその後のケアのことを考えると、母体にとってはいい。もちろん、妊娠9週までというふうなリミットがあるんですけど、それでもほぼほぼ安全性が確認されているということなんですけどね。この日本産婦人科医会。
山内:うんうん。
バービー:今までのコメントでどういうものがあったかというと、緊急避妊薬の検討会で過去にあったものの中では、賛成ではない理由として「若い女性は知識がない」「若い女性が悪用するかも」っていう理由で。

山内:そんなことを発表したことがあったんですね。お、お、お。
バービー:「お、お、お」って感じになっちゃうんです。
山内:すごい限定してきてますね。
バービー:そういう意見があったから進まなかったり、この薬局販売を検討する時にも作為的なアンケートを発表をしたことがありました。薬局販売に反対している産婦人科医が実際よりも多く見えるよう集計して、誘導的な結果を発表したことがあって。みんなはこの1~2年でそれに気づき始めて、Twitterなんかで「どうなっているんですか」みたいな感じで。
山内:しがらみ的なことが見えてきちゃうってことですよね。
バービー:もうそろそろ気づき始めていた中で、今回この「管理料10万円です」「これまでと変わりません」ってコメントを出したことで、「ついに尻尾を出しましたか」みたいな(笑)「ついにやっぱりお金だと言いましたね」みたいなノリがちょっと今、蔓延しちゃっている状態なんです。もちろん、今までの利益分は保証したいという気持ちはわかりますけど、お金ほしいんだったらもうちょっと頭使ってマネタイズしたらいいし、そもそも私たち女性の身体のことを人質にとるような形でお金を取ったりっていうのはちょっと厳しいと思っていて。

バービー:で、ここまでの議論を見て私が感じるのが、この医師会のトップの方たちのご意見なんかが「無知で奔放で責任感のない女性には罰を与えて管理しなければいけないよね」っていう話が前提で、そういうバイアスがかかった状態で全てが動いているような感じがするんですね。でも、妊娠とか中絶、出産は、女性だけでやることじゃないし。問題は女性だけにふりかかることではないなって。だからこそ、性教育が必要になってきてるっていうのになかなか動かない現実っていうのがあって悲しい事件が起こったりもしていますけど。
山内:本当のその「望まない妊娠」で堕胎する、中絶するタイミングを逸してしまって、そして生まれてその子を放棄するようなことも実際に起きていますよね。今年も何件かありましたね。
バービー:やっぱりそうやってアクセスする手が閉ざされているっていう現状はどうにかしなければいけないっていうのでみんな立ち上がっているんです。今、木下会長の辞任を求めるハッシュタグが出てきているんですけど、私はトップが変わったところで改善される問題ではないと思っていて。次から次へと同じ顔した小物が出てくるマトリョーシカみたいな感じで、中身の体質は変わらない。一番の問題は、こういう産婦人科医会に忖度している厚生労働省。どっちがどう忖度しているのかはわからないですけど、ここの関係性っていうのが一番の問題なんじゃないのか。だから私たちは、政治と自分の身体は直で繋がっているんだよ!っていうところをなんとなく認識しながら、投票行ったりニュース見たりしたいなって。

山内:こういうことを決めていく時って、いわゆる「パブリックコメント」を募集したりするじゃないですか。「みなさんどういうふうに思ってますか?」とか。そういうのを見たら、先程みたいな回答にはならない気がするんですけどね。
バービー:ちょっと、世間と、そして女性の本人の気持ちと乖離しまくっている感じはありますよね。まずは、本当に女性自身が、自分の身体を自分で主体的に選択肢で選べるようになるといいなって思いました。
山内:おこですね!
バービー:はい。
山内:でも、今の話から私は生理不順でピルをずっと使っているんですけど、「もっと早くからピルを使えばよかったな」とか、「もっと簡単に処方してもらえるようになったらいいな」とか、思い当たる節がすごくたくさんありますね。
バービー:ハードルがね。