TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」月~金曜日の11時から放送中!

(6月9日放送)

各地で真夏日が記録されて熱中症の予防・対応が大事になってきます。熱中症での脱水症に効果的な「経口補水液」について、経口補水療法の専門医師で、「経口補水液」に関する著書もある、済生会横浜市東部病院の谷口英喜さんに、教えていただきました。

「経口補水液」とはどんなものなんでしょうか?

もともとは、発展途上国であるアフリカ、東南アジアで生まれたもの。脱水症を治療するために開発された「飲む点滴」とも言われる。通常の飲料より飲んでから体に吸収されるスピードが早く、維持もされやすい。日本では15年ぐらい前から使われるようになりました。

いつ、どのくらい飲めばいい?

脱水症の症状が少しでも症状が出たら飲んで下さい。症状とは、頭痛・めまい、集中力の低下。筋肉痛、筋肉のけいれん、こむらがえり。二日酔いのような症状とも言えます。

量・飲み方は?
ペットボトル1本・500mlできるだけ早く飲みましょう。500ml飲めたら、もう500mlを30分ほどかけて、ゆっくりちびちび飲む。このような飲み方をする理由は、カラダが一気に水分でみたされると、勘違いしておしっことして出てしまうのでさらに補給したほうがいいのです。

予防として飲むのはアリ?
予防的に飲んでもあまり意味がないです。

経口補水液には塩分が多く含まれているので、通常時は無闇に摂取しないほうがよいです。

スポーツドリンクではダメ?

そもそもスポーツドリンクはアメリカンフットボールの選手のエネルギー補給が目的。そのため糖分が多く入っている。水分の補給は小腸でされるが、糖分は胃の中にとどまるので時間がかかってしまう。

カラダに吸収される時間は、経口補水液が5~10分。スポーツドリンクは20~30分。熱中症の症状が出て、目の前に両方あったら、もちろん経口補水液ですが、もちろん水分をとることが大事なので、スポーツドリンクでもお茶でも素早くとりましょう。

どうやって選べばいいの?

ドラッグストアなどでいくつかの商品を見かけますが、実は、まだ経口補水液という名前をつけることへの規定がありません。消費者庁が定める「個別評価型病者用食品」という表示があるものがいくつかあり、このマークがついているものは、エビデンス=臨床研究をやって効果が実証されています。

最も有名な大塚製薬の「OS-1」で、国内95%のシェア。500mlのペットボトルで200円ほど。他のメーカーで150円~180円くらい。

いざというときに備えて、常備しておいたり、外出する際に持っておきましょう。また、いざというときに抵抗なく飲めるように実際に少し飲んでみるのもよいでしょう。

オーエスワンPETボトル

「熱中症時の経口補水液は○○ml飲んだ方がいい」って知ってま...の画像はこちら >>

谷口:OS-1はここ1年でかなり飲みやすくなっています。
杉山:ポカリスエットの甘さ控えめ、塩分が多めのような味。
谷口:熱中症になると、味覚異常になりゴクゴク飲めてしまう。美味しく飲めたらカラダが異常ということ。
スー:なんどもないときにバロメーターとして飲んでおくといいですね。

オーエスワンゼリー

「熱中症時の経口補水液は○○ml飲んだ方がいい」って知ってますか?

スー:PETボトルに比べてかなり飲みやすい!
谷口:ゼリータイプは甘みが増して、まろやかになっています。持ち運びやすいし、飲み込みが弱い高齢者にも適しています。
スー:素人の考えでは、ちゃんと水分あるのかと心配になりますが大丈夫ですか?
谷口:胃に入ると十分補給効果があります。

オーエスワンパウダー

「熱中症時の経口補水液は○○ml飲んだ方がいい」って知ってますか?

「熱中症時の経口補水液は○○ml飲んだ方がいい」って知ってますか?

谷口:水に溶いて使うタイプ。持ち歩きに便利で、海外や山登りにも。
消費期限も4~5年ほどと長い。
購入は大塚グループのオンラインショップからのみ。

◆6月9日放送分より 番組名:「ジェーン・スー 生活は踊る」
◆http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20200609110000

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