TBSラジオ『辰巳琢郎の勝手にコンシェルジュ』毎週土曜 17時から放送中!
ゲストは引き続き、 『1036号室』にお泊まりの漫画家:弘兼憲史さん。
コンシェルジュ:辰巳琢郎とは、美味しい食事を共に楽しんできた旧知の仲です。
最近一番泣いた!音楽が素晴らしい、あの映画
弘兼さんは、食だけでなく音楽・映画にも精通しており、仕事中も大好きな歌謡曲をかけているんだとか。
弘兼「僕はもう、”音楽あっての弘兼憲史”です。クラシックから歌謡曲まで音楽が大好きです。今一番好きなのは、ブラジル音楽、ジプシージャズですね。ライブハウスも通ったりしてます。」
近藤「音楽というと、良い音楽に出会うと泣いてしまうと伺いましたが...」
弘兼「良い曲を聞くと、本当に感動して泣いてしまう、という。アレサ・フランクリンの伝記映画『リスペクト』見た時、エンドタイトルで滂沱の涙といいますか、号泣しましたね。音楽で1番泣いたのは、映画『ひまわり』。あ、映画『シンドラーのリスト』も泣けましたね!映画で大泣きすることが多いです」
弘兼さんは、大学時代に映画監督に憧れていましたが、テレビドラマが台頭し、映画会社が軒並み不況だった時代だったため、諦めてしまったという過去もあったそう。
忘れられない旅の思い出 『ナイトレインボー』
弘兼さんは、プライベートでの旅行は少ないものの、取材旅行は多くされています。
1番印象に残っているのは、ブラジルへの取材旅行。
ブラジルでは、世界三代瀑布であるイグアスの滝を見に行き、月の光と滝が作り出す『ナイトレインボー』を見たのだとか。
弘兼「その時たまたま満月だったんで、真っ暗の中、滝の近くまで懐中電灯で進んでいきパッと見たら、わーっと暗闇の中に虹があって!この虹が本当に感動的でしたね。漫画にも描きました」
辰巳「島耕作のブラジルの話の中でね~」
弘兼「手すりを持って滝の近くまで降りた時、”なんかヌルヌルしてるな~”と思っていて帰りに照らして見たら、ヒルがびっしりで!(笑)...夜だけどヒル、くだらないですね(笑)」
取材旅行は、漫画を描くための資料となる写真撮影が8割、現地の話は2割程度で資料を残していく弘兼さん。
プライベートでも、取材旅行と同様に観光した場所で写真を撮影すると、それがもう漫画の舞台になってしまう、とのこと。
辰巳「満月の日にちょうど行っていたり、そういう運を持ってらっしゃるんですよね。旅って、タイミングがツイてる、ツイてない、で大きく変わってくると思うんですよね。」
弘兼「オーロラの取材も、アラスカだったんですけど、3日間あって、3日間毎日オーロラ見られましたからね。」
近藤「その一瞬を、いろんな方にまた伝えることができるというのも幸せの1つになりますよね」
弘兼「感動したことを読者の方にも知ってもらいたいから伝えます。島耕作も、今は情報漫画になってますけど、現実をとにかく知ってもらいたいために、書いてます。」

忘れないためには、メモを〇〇の中に...
今度は弘兼さんから、辰巳コンシェルジュへの質問!
弘兼「クイズ番組では、なんであんなに答えられるんですか?勉強するんですか?」
辰巳「最近は勉強しないとついていけない番組が増えましたけど基本的には勉強するものではないですよね。普段の旅番組ロケ、芝居での旅公演などでいろんな人に会えますし、いろんな場所に行けますから、そこでインプットしていく、その積み重ねです。」
弘兼さんも、日々インプットをし続けながら、漫画を描いていらっしゃいます。そんな中でも、物事を忘れないようにするコツを伺いました。
弘兼「僕はもう何も覚えられないので、その日やらなくちゃいけない事は全部メモして必ず見る靴の中に入れておきます。」
辰巳「え!靴ですか?!」
弘兼「家を出る時に、必ず靴を履かなくちゃいけないのでメモ見て、”あ、これしないと”と思い出せます。」
近藤「連載の中で、アイデアが思いつかない、というのはありますか?」
弘兼「あります。僕はアイディアが浮かばない時は、ついつい右手の人差し指を噛みます。噛みだこ、があります。これは、40年間のわたしのアイディアを考えてきた証です。昔、子供に噛まないようにってワサビ塗られましたよ(笑)」
日々、作品を生み出す苦しみ、楽しみを感じる弘兼さん。
毎日追い詰められる ”締め切り"があってこそ?なのかもしれない、とも教えてくださいました。
次回も、弘兼さんにお話し伺います。
