TBSラジオ「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」毎週木曜日夜9時から放送中!
「マイゲーム・マイライフ」のゲストに三四郎の相田周二さんがやってきました。ゲーム好きにとっては、『勇者ああああ』(テレビ東京)のナレーションの人としておなじみかもしれません。
今回ピックアップしたいのは、ときめきメモリアルにまつわるお話。多感な時期いときめきメモリアルをやった人にとっては身に覚えがあるかもしれません。

相田「結構僕、ときめきメモリアルやってましたね」
宇多丸「ときメモはプレステでやってたんですね?」
相田「ときメモ、はい、プレステでやって。購入するだけでもドキドキして」
宇多丸「ヤバいですよ。中学生でしょ?」
相田「中学生」
宇多丸「中学生、ときメモめっちゃやりたいけど……、めっちゃやりたいけど、やってることをバレたくない」
相田「そう、そうなんですよ(笑)」
宇多丸「今ほどそういうものに世の中は寛容ではないので」
相田「そうそう、そうなんですよ、本当にそうなんですよ。めちゃくちゃドキドキしながらレジ行きましたよ(笑)」
宇多丸「いや、そうですよ! もうほぼ、なんていうの? エロ本じゃないけど」
相田「そうですよね(笑)」
宇多丸「だってさ、ときめきたいんでしょ? と。ゲームやって疑似恋愛したいんでしょ?」
相田「ははははは!」
宇多丸「結構な、ねえ? 中学生にとっては」
相田「そうですね」
宇多丸「同級生とかにこれ見られたら、みたいな」

相田「いや、本当にそうですよ。いちかばちかですよ」
宇多丸「いちかばちか(笑)」
相田「いや、本当に。なんかわかんないけど、(買うときに)店員さんに止められるんじゃないかとも思いましたしね」
宇多丸「これは中学生はダメですよ、みたいなね。ポルノじゃないんだから別に(笑)」
相田「そうなんですけど。興味あるから買ってるくせに、興味ないフリしましたね、レジで」
宇多丸「ははははは! わかるなぁ~! ちょっと、ちょっと、これね、まあまあ、(興味ないけど)あるなら買うのもね、みたいな(笑)」
相田「んん~、知らないけど、(ときメモとか)わかんないけど、へぇ~、って」
宇多丸「演技が(笑)。ひと小芝居が入らないと買えないぐらいの」
相田「ひと小芝居、入りましたね」

宇多丸「お母さんとかさ、自室とはいえ、これは嫌じゃないですか。
相田「これはもう、即消しますね」
宇多丸「ははははは! データとかおかまいなし!」
相田「それはもう、バレたくないんで」
宇多丸「でも、うちにソフトあるわけでしょ? バレるも何も」
相田「あ、隠してました。自分の机に」
宇多丸「ああ、もうそういうことになりますね」

相田「唯一、鍵がある棚があったんですよ。僕の机に一個だけ。そこに隠してましたね」
宇多丸「今思えばですけど、自分の机とかね、鍵かけてさ、もうさ、『ココだよ!』って」
相田「ははははは!」
宇多丸「当時は、鍵かけてるから大丈夫とか思ってるけどさ、今思えばさ、『ココ! ココ!』って言ってるようなもんだよね」
相田「確かに、なんかありますもんね(笑)。絶対なんかあるから」
この感覚はめちゃくちゃわかります。中学生だった当時、私が毎日放課後に遊んでいた区民施設にゲームスペースがあり、そこで借りられるゲームにときメモのパズルゲームがあったのです(おそらく『ときめきメモリアル 対戦ぱずるだま』)。その、ときメモパズルが面白くて、毎日でもやりたかったのですが、あまりやると変な目で見られるんじゃないかと思って、週に2回くらいで我慢。「一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし……」ならぬ、「毎日このゲームやって、友達に噂とかされると恥ずかしいし……」です。女性の私ですらこんな気持ちになっていたのですから、いわんや男性をや。今の時代はこういったゲームに対する偏見もなくなっているとは思いますが、ほんの20年ほど前は死活問題だったわけで。こういうのも当時ならではのゲーム文化のひとつだったなぁ、としみじみ思ったのでした。

(両親が離婚している相田さん。
宇多丸「ただこれ、メガドラ史上屈指のクソゲーとも言われてて(笑)」
相田「はははははは!(中略)そうなんすね。屈指のクソゲーと言われてるのか」
宇多丸「すいません(笑)。思い出を。お父様との思い出をすいません、上書きしてしまって(笑)」
文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)
◆10月8日放送分より 番組名:「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」
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