TBSラジオからバービーがお送りする「週末ノオト」(毎週土曜13:00-14:55)
この7月で番組スタートから丸1周年、無事2年目突入となった週末ノオト。
日ごろお聴きいただいている皆さん、本当にありがとうございます!
その感謝の意味も込め、番組の公式ツイッターで、「週末ノオト2年目もよろしくキャンペーン」実施中です。
7月10日(土)
今回のパートナーは山本恵理伽アナウンサー。山本恵理伽「”低刺激”について考えてみた」
アナウンサーコラム「〇〇について考えてみた」。今回は「低刺激」について。

AERA 2021年7月5日号に掲載された新垣結衣さんの結婚報告。
「現場で試行錯誤する日々はそれはそれは刺激的な毎日で、いつしかその分、私生活は低刺激な時間を求め心がけ過ごしてまいりました」
これを読んだ山本さんは 、「これ私だな…!私って、TBSのガッキーだな…!」と、とても共感。入社してから、メインの仕事はずっと報道。いろんなニュースを伝える立場として、常に中立でいようと言葉選びには気を付けているそうです。だからこそ、プライベートでは低刺激を求めています。


そのひとつとして、山本さんはSNSをやっていません。コメントなどのリアクションが「避けたい刺激」なのです。
そしてもうひとつが、映画館で映画を観ること。
学生時代に、映画を作るサークルに入っていたほど映画好きな山本さんですが、この1年半、映画を観る気持ちになれず、大好きなものさえも、「刺激」として避ける生活を。
そんな山本さんが、1年半ぶりに観に行った映画が・・・「シン・エヴァンゲリオン」
山本:(エヴァを観ている最中に)今まで感じたことのない感覚を覚えて、刺激でいっぱいなはずなんです私。なのに、違う何かで満たされていくというか、染み渡る感覚がほんとにあったんですよね。「こんなことあるんだ…」って思って。それで観終わった時ものすごい爽快感!めちゃくちゃスッキリしたんですよ。
バービー:すごいね、ちょっとなんか瞑想状態入っちゃったのかな笑

山本:結果として、映画を観るっていうのは間違いなく「刺激」ではあります。「刺激」ではあったんだけれども、好きなものによる刺激っていうのは、自分に負荷を与える刺激ではなくて、自分を前向きに、晴れやかにしてくれるものなんだなっていうのを、今回がんばって重い腰を上げて映画を観に行った事で、感じる事ができたんですよ。2時台は武田砂鉄さん
バービーさんのラジオパーソナリティーの父として、いつもお世話になっている武田砂鉄さんが、去年11月以来、2度目のご登場。
父と娘の関係とはいえ、会ったのは4回くらいという砂鉄さんとバービーさん。
そんな親子が今回話したことは、発売されたばかり砂鉄さんの著書「マチズモを削り取れ」について。
路上、電車、学校、オフィス、トイレなど、日本の公共空間にはびこる「マチズモ」、つまり男性優位主義について、砂鉄さんご自身が街に出向き、考察されたことを綴った一冊です。

武田:「マチズモ」というテーマで考える前にも、いろんな社会問題について考えたり書いたりしてる時に、どうしてもそこで共通して立ち上がってくるのが、「男性中心主義」だったり「男性優位主義」。まぁそれは今、政治の世界だったりとか、経済の指導的地位の立場の人たちが、やっぱり圧倒的に男性が多いと。
で、その時に僕が男性として暮らしてる時に、「やっぱり構造的に優位な立場にあるぞ」っていう事を、そういう自覚をずっと繰り返すっていう事をしていかないと…。まぁ最近その「男性もつらいよ」っていうような言われ方って、いろんなとこでされるようになって、それも確かなんだけれど、「男性もつらいよ」っていうのがそこからの発展した議論になるんじゃなくて、「いやいや俺たちもつらいからさ!」で終わるってなると、これどっちのつらさにも良い事じゃないじゃないですか。
山本:そうですねぇ。
武田:それをなんかこう…変えたかったと言うか、もう一回そこで考え直さなくちゃいけなかったな。って言うのは、連載しながら考えてたんですけどね。


バービー:いろんな人のお話を聞いた時に、「マチズモ」の最たるものって、やっぱり「体力の違い、力の違いだ!」みたいなことが一番だって、おっしゃる方がよくいらっしゃるんですけど、最近結婚してひしひしと思うのが、圧倒的に男性の優位性って「妊娠・出産をしない事なんじゃないのかな」って思い始めてきたんですよね。
命が誕生する事って、とっても喜ばしい事で、誰しもにとって素晴らしい事だと思うんだけど、それを、肉体的負担を得ずに、仕事も休まずに、子宝に巡り合えるって言う事が、なんか男性の優位性の最たるもののような気がして…。これを是正しない限りは、「平等」って言えないんじゃないのかな、っていうふうに私は思い始めてきたんですけど…。
武田:でも本当に、20代・30代で「働く」っていうことを考えた時に、かなりシンプルに言えば、男性はずっと仕事してればよくて、女性はいろんな個人の判断はあるけれど、周りから「どういう選択をするのか」って言う事を、ジャッジされるというか、ちょっとこうジロジロ見られるって言うようなところがあるわけですよね。
バービー:いわゆる、昔の社会で言う「居続けられる強み」って言うものが…。
武田:まさに、その会社で「ずっと居る」っていう事が評価されてきた社会の中では、男性ってやっぱ「居られる」んですよね。女性は選択をする中で、どうしても会社に居られなくなるって事もあるし、「あの人は居なくなるかもしれない」ってどこかで思われてる所があるんで…。
そこにある不平等を是正していくのは、やっぱり男性側がそれを理解をしていく、「そういう選択肢が目の前にある人たちが、ここいるんだぞ」っていうことを、ちゃんと偏見なくて見ていくことが必要になるんですけど、なかなかこれが、取り分けこの日本の社会はあまりできそうにない、っていう感じはありますよね。




◆7月10日放送分より 番組名:「週末ノオト」
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