TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』月~木曜日の11時から放送中!
11月15日(水)放送後記
この番組の月1レギュラーで、1400種類以上の掃除用具を使った、家事・掃除アドバイザーの藤原千秋さん!
テーマは「クレンザー活用術」!
先月「サビの落とし方」をご紹介したときに、クレンザーを使った方法をご紹介しましたが、クレンザーを購入したり、使用したことってありますか?何十年も前からある掃除道具界の重鎮ですが、家にあっても使ってない、そもそも家にないという方も多いのではないでしょうか?
最近はスプレーするだけ、放置するだけ系の掃除グッズも充実してきた影響もあって、古風な掃除道具と見られがちですが、長年存在しているだけの魅力があるんです。今日はそんなクレンザーの活用方法をご紹介!

『擦ってこそクレンザー!キッチン周りで大活躍!』
活用術の前に少しだけクレンザーの歴史についてお話します。クレンザーは大正時代にアメリカ産が輸入されたことをきっかけに日本でも普及。昭和7年から各社で「クレンザー」が販売され始めました。
もともと、粉タイプが流通していましたが、「粉のクレンザーだと粉が舞ってしまう」とクレームが来たことがきっかけでクリームクレンザーが誕生したらしいです。ただ、粉タイプのクレンザーの方が、汚れを落とす力は高そう。
そんな歴史のあるクレンザーですが、成分はというと「研磨剤」と「界面活性剤」。「界面活性剤」とは石鹸のことで、大事なのは「研磨剤」。岩などの鉱物を砕いたもので、落ちにくい汚れを物理的に掻き落とす。
そのため石やタイルなど擦ってもOKな素材が多い学校では、現在でも現役。小・中学校の掃除のときに使ったことがあるという人も多いのではないかと思います。
もちろん家庭でも、使い出したら、なくてはならない道具!“物理的に掻き落とす”は、クレンザーならではの芸当で、実はキッチンの焦げには、絶対に欠かせない能力。
⇒鍋底、フライパン底、コンロの五徳、金属や陶器の食器のこびりつき汚れを手っ取り早く落とすのに普通の食器用中性洗剤ではまどろっこしいが、手早く確実に汚れを落とすことができます。
なので、キッチン周りには1本置いておくことオススメします!
『クレンザーは、スポンジよりもラップで擦ろう!』
実践!クレンザーを使う時に、なにで擦るかという点ですが、ネット上にはスポンジやアルミホイル、タオルなど様々な説があります。この機会に専門の方に聞いていみました。
教えてくれたのは、カネヨ石鹸株式会社 土田尚衛さん。
カネヨ石鹸株式会社とは、1933年に池袋で創業した洗剤メーカー。「カネヨクレンザー」は1934年に発売、1971年には日本で初めて「液体クレンザー」を発売!
土田さんによると、どの用途でも「ラップが一番効果的」ということでした。スポンジは研磨剤に負けてボロボロになりやすく、タオルなど布も相性が良くない。また、それほど硬い汚れではない場合は、不織布のような薄手の布でも効果的だそう。
使い方解説
・「水垢」のような硬い汚れの場合はラップ。ベタベタな油汚れなど柔らかい汚れは不織布で十分。
・意外な汚れ落としでは、ペンの汚れもクレンザーが活躍します。

『クレンザーの本領発揮!換気扇掃除をしてみよう』
換気扇やレンジフードには、料理をした際に跳ねた油や蒸発した油が付着していて、さらにホコリやゴミがくっつくことで、取れにくい頑固な汚れになっている。そんな時こそ、実はクレンザーの出番です。普通の洗剤では落ちにくく、強力なアルカリ性の洗剤を使おうにも手が荒れる心配もありますよね。
クレンザーなら、手荒れの心配も少なく、物理的にこすり落とすので、換気扇の掃除は得意分野です。
⇒換気扇の掃除方法は・・・
クレンザーを塗って、20分ほど放置してから、水で流すと油がよく落ちる。
ほかにも・・・
お子さんがいる家庭などは、いわゆる「上履き」のような布の靴はクレンザーで洗えます。しっかり擦るので、比較的強い素材の部分に使用するのがいいかもしれません。気をつけてほしいのは、一般的なスニーカーのように合皮が使われている部分はNG!ただし、ソール部分はクレンザーで洗えます。
