ふらっと こども電話相談室
TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。
Q. 国語の勉強方法を教えてください。(東京都 けいくん 10歳 小学4年生)
(回答した先生)田中泰延さん/ライター、ひろのぶと株式会社・代表
向井おにいさん:これは、なんで質問してみようと思ったんですか。
― 塾で国語がいまいち伸びてないから、もうちょっと伸ばしてみたいなと思って。
向井おにさん:ほかの教科は塾に行ったらちょっとずつ伸びてきてる?
― うん。まあ、下がったりもしてるけど、少しは上ってるのかなあ。
向井おにさん:やっぱり国語がいちばん難しい? 勉強の仕方がわからないのかな?
― そうですね。
泰延先生:けいくん、こんにちは。私、泰延先生はですね、文章を書く仕事をしてます。エッセイっていうですけど、自分の考えたいろんなこととか映画を見て思ったこととか、そういうのを書くことを仕事にしてます。
― なるほど。
泰延先生:けいくんは、国語の授業は好きか嫌いかでいうとどっちですか?
― まあ、好きかな。
泰延先生:好きなんだ。
― ほう、ほう。
泰延先生:三つを順番に言うと、一つ目は、日本語を知る勉強。
― 日本語を知る?
泰延先生:はい。日本語を知るっていうのは、まず漢字を覚える。書き方、読み方を覚える。例えば「希望」っていう漢字は4年生で習います。これは4年生にならないとわからないから、新しい知識を知っていくんですね。ことわざもありますね。「猿も木から落ちる」ってどういう意味だろう。あと、「漁夫の利」とか。そういうのが授業で出てくるので、辞書を引いてみたり、よくわかんなかったらもう一回先生に聞いてみたり、知識をどんどん増やしていくっていうのが、国語の授業の一つ目です。
― へえ~。
泰延先生:国語の授業の二つ目は、教科書に載っているいろんな文章をひとつずつ分解して、その仕組みがどうなっているかがわかる勉強。
― ほう。
泰延先生:これはもう習ったと思うけど、主語と述語ってありますね。「ぼくは 今日 遊園地に 行った」という文だったら、主語は「ぼく」で、「言った」が述語ですよね。あと、接続詞って習うと思うけど、文章の中で「しかし」とか「つまり」とかのあとの文章がどうなってるのか。その仕組みをわかるってことが大事なんですね。これが二つ目。そして最後、三つ目は、その文章を書いた人が何を言いたいのか、どんな気持ちで書いたのかを考える勉強です。
向井おにいさん:うん。
泰延先生:文章には、書いてあることだけじゃなくて、どんな気持ちでこの文章を書いたのかというのをその文章から読み取る力っていうのがすごく大事。それを読み取るためには、教科書に出てきた文章を音読してみるといいよね。
― ふうん。
泰延先生:これは自分だけじゃなくて、例えば「お父さん、聞いて。それからお父さんも読んでみて」って言ってお互いに読むと、書いた人が本当は何が言いたいのか、何を考えてどんな気持ちで書いたのか、よくわかります。
― なるほど!
泰延先生:うん。あと、教科書に載っている文章でちょっといいな、なんか素敵だなって思う文章があったら、それを書いた作者の名前が必ず載っているから、その人のほかの文章を読んでみる。これは図書館にあったりします。
― なるほどお。
泰延先生:日本語を知る勉強、文章を分解してわかる勉強、それから、書いた人がどんな気持ちか考える勉強、今三つ言ったんだけど、最後は、自分がちょっと好きだなって思う本が図書館とか本屋さんにあったら、ちょっと好きになった人の本をたくさん読むのは、やっぱりすごく国語の役に立つと思います。
― へええ。
向井おにいさん:けいくんは、本は読みますか?
― はい、めっちゃ読みます。
泰延先生:素晴らしい!
向井おにいさん:こんな本が好きだよっていうのはあるんですか?
― まあ、ハリー・ポッターとか。
泰延先生:ああー、いいねえ! すごい長いお話でしょ。でも面白いですか?
― うん、面白いです。
泰延先生:それは読む力がすごくあるってことですね。
向井おにいさん:そうですよね。読んでるときにわからない漢字が出てくることってある?
― 時々ある。
向井おにいさん:そういうところでまた新しい漢字に触れていけば、どんどん日本語を知ることもできますもんね。
泰延先生:はい。
― ああ、確かに。
向井おにいさん:いや、けいくんすごいよ。
泰延先生:すごいですよ。
向井おにいさん:けいくん、国語の勉強の仕方はわかりました?
― はい、わかりました。
(回答者プロフィール)田中泰延(たなか・ひろのぶ)さん。