英ウェスト・ヨークシャーのウェイクフィールドに住むジェーン・グリーヴスさん(46歳)は3月15日に、ピンダーフィールズ病院での仕事を解雇された。
1997年に看護師の資格を取得し2002年から助産師として働いてきたジェーンさんは、同病院が2016年9月に開設した出産病棟で職務にあたっていた。しかし病棟にはスタッフ用の休憩室やトイレもなく、スタッフはトイレに行きたければ歩いて2分の場所にある別の病棟まで行かなければならない。ジェーンさんが働き出した頃は、出産病棟には3人の助産師と2人のヘルスケアスタッフがいた。ところが現在は助産師2人と1人のヘルスケアがいるのみで、1人あたりの仕事量が増え、トイレに行く時間もままならないという。
「スタッフは無給ですが1時間だけ休憩時間を与えられます。ですが仕事が詰まっているので、1時間も休憩できることはごく稀です。スタッフ用のトイレもないし、12時間の勤務中はトイレに行く暇がありません。妊婦さんがいきんでいる手いっぱいの時に、『ちょっとトイレ』なんて言えるわけありませんから。」
そのためジェーンさんは、トイレを我慢する習慣がついてしまった。しかしこれが病に倒れる原因となってしまう。
「仕事は私の人生そのものなんです。それを取り上げるなんて、あまりにもひどすぎます。
ジェーンさんが所属する労働組合「trust and UNISON(トラスト・アンド・ユニゾン)」のエイドリアン・オマリーさんは、「35年間ピンダーフィールズ病院の顧問をしていますが、ジェーンさんのケースは最も不当な解雇といってよいでしょう。彼女はこれまでに49回も『12時間連続勤務で、休憩もままならない。スタッフ不足で仕事の負担が多すぎる』と訴えてきました。彼女の病欠記録は、組合の平均病欠記録日数よりも少ないのです。にもかかわらず、解雇になるなんて不公平です。
Mid Yorkshire Hospitals NHS Trust(中央ヨークシャー病院NHS信託)のアシスタントディレクターであるイヴォンヌ・ロウランさんは、「我々は常に優秀な患者へのケアを提供すると同様、スタッフへの配慮やサポートも行っています。ただ、個々のスタッフの件に関しては人事の問題上コメントすることはできません」と述べている。
画像は『SWNS 2018年3月23日付「Midwife sacked for poor sickness record claims she contracted kidney infection at work - because birthing centre didn’t have staff Toilets」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)