高齢ドライバーによる事故が絶えない中、またしても衝撃的な事故の映像が公開された。昨年11月、道路を後ろから走行してきた81歳のドライバーがサイクリストを撥ね、そのまま逃走した。
このほど行われた裁判で、ドライバーには2年の免許取り消しを言い渡されたという。『Metro』『Somerset Live』などが伝えている。

2017年11月23日、英サマセット州ヨービルで「Yovil Cycle Club(ヨービル・サイクルクラブ)」のメンバー3人が、後ろから走行してきたマイケル・タラント(81歳)が運転する車に撥ねられた。

サマセット州南部ウィンカントンのソーンウェル・ウェイに住むタラントは、一列で走っていたサイクリストのマーティン・ウィルスさんの妻サンドラさんを撥ねた。サンドラさんの自転車が車のバンパー部分に引っ掛かってしまったことで衝撃を受けたサンドラさんは宙に飛び、後頭部を地面に打ち付け、指の骨を骨折し肋骨にもヒビが入った。サンドラさんの前を走っていたメンバーの女性は、耳の一部を失い脚を深く切る怪我をし、その女性が跳ねられた衝撃を受けたマーティンさんも地面に倒れた。
その後3人は病院へ搬送され、治療を受けたという。

3人の被っていたヘルメットが事故の様子を記録しているが、運転手のタラントは被害を受けて倒れたサイクリストなどお構いなしに、止まることなくそのまま走り去った様子がはっきりと映し出されていた。しかし後にこの映像が証拠となり、タラントは逮捕された。

7月9日にタウントン刑事法院で行われた裁判でタラントは危険な運転を認めたものの、それによりサイクリストに深刻な怪我をさせた罪を否定した。その後この罪に対する起訴は取り下げられたが、タラントには2年間の免許取り消しと18か月の条件付き釈放および20ポンド(約3,000円)の課徴金支払い命令が下された。この判決を聞いた被害者のひとりであるマーティンさんはこのように話している。


「妥当な判決ではと思います。もう運転しなければ他の人を路上で危険な目に遭わせることもないでしょうし。あの日の出来事は3人の中でトラウマとなっていて、後ろから車が来ると恐怖の瞬間を思い出します。妻の怪我はほとんど回復し、肋骨のヒビも埋まりましたが指の骨折については今でも治療を受けていて、ひどい耳鳴りも起こるようになりました。ですが、当時の救急隊員や病院の迅速な対応は素晴らしいものでした。それに、なによりヘルメットを被っていて本当に良かったと思いました。」

このニュースを知った人からは、「人を撥ねておいてそのまま普通に走り去るっていうのが信じられない!」「これって立派な殺人未遂だろ」「確かに撥ねた運転手が悪いけど、サイクリストも路上をこんなふうに走るのは危険だと思う」「それにしても判決が甘すぎるのでは? 罰金額の低さはジョークでしかない」「この高齢ドライバーは二度と運転するな」「一生免許を取り上げてもいいぐらいの罪でしょう」「高齢ドライバーの事故が増えているんだから、今こそ法律を改正すべきでは」といった声があがっている。




画像は『Metro 2018年7月16日付「81-year-old driver ploughs into cyclists then doesn’t stop in shocking video」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)