日本では政府が配布した布製のマスクに対して「小さすぎる」などの声があがったものだが、ベルギーで市民に配布されたマスクはその比ではないほど苦情が寄せられた。それは顔全体を覆うほどの大きさで、マスクとしての機能を果たさないとして人々の嘲笑を買ってしまったようだ。
『NOS Jeugdjournaal』『VRT.be』などが伝えている。

フランスやスペイン、カナダなど一部の国では日本のように政府や自治体が市民にマスクを配布したが、このほどベルギーのオースト=フランデレン州アールスト市では予定時期から約1か月遅れでようやく市民にマスクが配布された。ところがマスクを受け取った人から「大きすぎる」と苦情が相次ぐ事態になってしまった。

マスクはアールスト市が市民に配布するために、他の自治体と共同でオースト=フランデレン州から一括購入したものだった。しかし配布したマスクは顔全体が隠れるほど大きく、外気のウイルスを全く遮断できるものではなかった。

多くの市民は度を越えた大きさのマスクで顔を覆った写真をSNSに投稿しており、それを見た人達からは「パンツみたいだね」「パラシュートか?」と揶揄する声も多数あがっている。


アールスト市のクリストフ・ダーズ市長(Christoph D’Haese)は、今回のマスクについて次のように州に苦言を呈した。

「確かに州当局にマスクを依頼しましたが、それは誤った判断でした。市当局としては自分達でマスクを調達すべきだった。しかし市にはマスクを製造する企業が少なく、我々は州から共同購入という手段を選んでしまったのです。しかしそれが間違いでした。」

市ではこの問題に対して州に調査を求める方向だが、配布した全てのマスクの交換をする予定はないと話している。また大きすぎるマスクを受け取った人達に向けて、「マスクのプリーツを伸ばさないで使用するように」「熱いお湯でマスクが縮むまで洗うように」といった対策案を出しているようだ。


画像は『NOS Jeugdjournaal 2020年6月17日付「Inwoners van Belgische stad krijgen mega-mondkapje」(d_men2708 / Instagram)』『VRT.be 2020年6月16日付「Ontevredenheid over te grote mondmaskers van provincie Oost-Vlaanderen: provincie onderzoekt groepsaankoop」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)