小学校教師が勤務中に酒を飲み、児童の前で倒れ込むという驚きの事件がイギリスより届いた。現場には開いた缶ビールが残されており、壁に寄りかからないと立っていられないほどの酩酊状態だったと同僚たちが明かしている。
「風変わりだがどこか憎めない」と周囲からの評判も悪くなかったこの教師は、学校で飲酒したことを否定しており、現在は停職処分を受けている。『WalesOnline』などが伝えた。

英ウェールズ南部ポート・タルボットにある小学校「Central Primary School」で、8~9歳のクラスを担当していた教師のアンジェラ・シモンソン(Angela Simonson、66)が、酩酊状態で勤務していたとして停職処分を下したことを英教育委員会「Education Workforce Council(EWC)」が明かした。

事件が発生したのは2014年12月で、現場を目撃したランチタイムスーパーバイザー(昼休憩をとる教師の代わりに児童を見守る役割)のクリスティーン・ジャーヴィスさん(Christine Jarvis)はその様子をこのように語っている。

「アンジェラはフラフラとしていて、壁に寄りかからないと立っていられないほど酔っぱらった状態でしたね。尋常ではない動きで中庭から教室に向かっていくと、彼女は地面に倒れ込んでしまったのです。
その際に、彼女の手が近くにいた児童にぶつかってしまっていました。」

小学2~3年生の幼い子が、教師という信頼できるはずの大人が酩酊状態になっている姿を目にするのはかなりの衝撃だろう。

同僚のジョナサン・トフトさん(Jonathan Toft)も「アンジェラからはお酒の臭いがしました。それは誰でも分かるくらい教室中で臭っていましたよ」と話しており、児童たちもアンジェラの異常な状態を察していたに違いない。

当時の校長ロバート・パーチェスさん(Robert Purchas)は「アンジェラが飲んでいた酒は鍵のかかっていない棚の中に置いてあり、児童たちが手に届く場所に置かれていたことも大問題でした」と頭を抱えたそうだ。

アンジェラの弁護士は、公聴会にて「今回の件は、低糖質ダイエットに起因する口臭治療のための薬の副作用が原因で、ふらついていたのは当時かかとの高いハイヒールを履いていたせいです」と述べており、さらに「事件当日の前夜、アンジェラは友人たちとのディナーパーティーで夜の11時頃までワインボトル4分の3ほどのアルコールを摂取していました。そして翌朝に喉が渇いたということで、50ml以下のビールを口にしています」と話しており、アンジェラから酒の臭いがしたというのは、学校で飲酒したことの証明にはならないと主張した。


アンジェラは同小学校で40年以上働くベテラン教師で、周囲からは「風変わりだけど、どこか憎めない存在」と評判も悪くなかった。

EWCの公聴会にアンジェラは現れなかったものの、文面で「プロとして失格の態度を取ってしまい、申し訳ない」と謝罪した。しかし「当日の朝に飲んだ“少量の”ビールが今回のことを引き起こしてしまった」と綴っており、学校で飲酒した事実は認めていない。

EWCは同僚などの話から、アンジェラが飲酒した状態で勤務していたのは複数回にわたると特定した。

アンジェラの職場復帰を判断するための公聴会だったが、「当日の朝に酒を飲んだが、学校では飲んでいない」という言い訳がましいコメントを受けたEWCは「誠実性に欠け、プロとして受け入れがたい行為」としてアンジェラに2年間の停職処分を下した。

このニュースを見た人からは「教師がストレスの多い仕事だというのは分かるけど、仕事中にお酒は飲んじゃだめでしょ」「薬の副作用とハイヒールが原因なんて言い訳には無理がある」「停職ではなく解雇すべき」とアンジェラを非難するコメントがあがっている。


画像は『Metro 2021年3月13日付「Teacher who left open can of beer in classroom ‘knocked over child while drunk’」(Picture: Google)(Picture: Wales News Service)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)