11月21日、IOC(国際オリンピック委員会)は、公式サイトで中国の元副首相に性的関係を強要されたと告発し、その後行方不明になっていたとされる元ダブルス世界ランク1位のペン・シューアイ(中国)と、トーマス・バッハ会長が30分間にわたりオンラインで会話し、安否を確認したと発表した。
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30分の通話の冒頭、「ペン・シューアイは自分の健康状態を心配してくれたIOCに感謝してくれた。
また、このテレビ電話に同席した元アイスホッケー選手でIOCアスリート委員長のエマ・テルホ氏は、「我々はペン・シューアイが元気にしているのを見て安心した。彼女はリラックスしているように見えた。私はサポートし、彼女の都合の良い時にいつでも連絡を取り合えるようにしたが、彼女は感謝していた」と説明。来年1月には、冬季五輪が開催される中国・北京をバッハ会長が訪れた際に、ペンを夕食に招待し、ペンもそれを受け入れたとした。
今月初め、ペンは元副首相のジャン・ガオリー氏から“数年前から性的関係を強要された”と、中国のSNSであるウェイボーに投稿。のちに削除され、消息も不明となっていた。
その後、女子テニスを統括するWTA(女子テニス協会)のスティーブ・サイモン会長は、「完全かつ公正で、透明性のある調査」を行うことを求める声明を発表。その後、ペンがサイモン会長に送ったとされるメールには、「性的暴行を含め、ニュースは事実ではありません」と自身の告発を否定し、「私は行方不明ではなく、危険だということもない。家で休んでいるだけで何も問題ありません」と記された。
しかし、サイモン氏は「中国国営メディアが発表したペン・シューアイに関する声明は、彼女の安全と所在に関して私の懸念を高めるものになった」と、疑念がさらに深まったとコメント。この問題が解決しない場合、中国でのビジネスから撤退も示唆していた。