現地7月10日、決勝でニック・キリオス(オーストラリア/世界ランク45位)を下し、大会4連覇、そして7度目のウィンブルドン制覇を果たしたノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク7位)は記者会見で、もうNo.1を追い求めず、「グランドスラムやビッグトーナメントを優先し、自分がプレーしたい場所、気分がいい場所でプレーをするつもりだ」と語った。
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会見の冒頭、「優勝の瞬間を再び体験できた喜び、幸せで天にも登る気分だよ。
今シーズン、ジョコビッチは1月、一度オーストラリアに入国したものの、ビザの問題のために全豪オープンに出場できず。その後も大会になかなか出場できなかったこともあって、世界ランク1位から陥落。ダニール・メドベデフ(同1位)にその座を明け渡している。
「あまり細かいことを言うのはよくないけど、オーストラリアで起こったこと、特に大会のことは、私にとって精神的に大きな挑戦であり障害になった。オーストラリアを離れた時点で、前に進む覚悟を決めたけど、動揺もあったし、それを乗り切るには時間が必要だと気づいたんだ。大会は行われているし、自分の資質もテニスもわかっている。でも、コートの外では自分だけでなく、周りの人たちに気苦労やプレッシャーを与えてしまった。
そして「ウィンブルドンは3連覇中で、芝でのプレーも好き。毎年、芝でのテニスが上達しているような気もしている。パリ(全仏)でのナダル戦は、タフな敗戦で失望させられたけど、ローマやパリでは自分のやりたいテニスができていたし、タイトルを狙える位置につけていた。だから、ウィンブルドンでは十分にチャンスがあると思っていた。いつもだけど、この大会では最高のテニスができるよう、とても刺激を受けているんだ」とこのウインブルドンは、ジョコビッチの中できっかけになりうるものだったようだ。
ジョコビッチ復活とも取れる優勝だが、まずは休養を取ってから、今後のスケジュールを決めるという。
「まずは休暇だね。大会にすぐ戻るかは別にして、ここ数ヵ月は私にとってかなり厳しい期間だったので、少なくとも2週間は休む。たくさんテニスができて幸せだったし、自分が望むものも手に入れられた。それからアメリカからの吉報を待ちたい。
ジョコビッチはワクチン未接種のため、現状ではワクチン接種が義務であるアメリカに入国できない。「私はワクチンを接種してないし、接種予定もないので義務が免除となるかどうか。現実的にあり得ないと思うし、あまり答えようがない」と語っている。
前年優勝している全豪オープンに出場が叶わず、今回のウィンブルドンもポイントなしとなったことで、ジョコビッチは4000ポイントをロス。昨年準優勝のUSオープンを欠場となると、さらにポイントを失うことになる。それでも、「正直、もうポイントを追いかけていくことはない」と語る。
「エージェントの話だとグランドスラムで優勝すると、トップ20以下にならないかぎり、ツアー最終戦の出場権は獲得できるらしい。累積ポイントを考えると、そこには入れるんじゃないかな。出場できる可能性は十分あると思うので、ポイントを追い求めて負担をかけないように、と思っている。
■ウィンブルドン2022
[THE CHAMPIONSHIP WIMBLEDON]
・大会日程/2022年6月27日(月)~7月10日(日)
・開催地/イギリス・ウィンブルドン:オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(時差8時間)
・賞金総額/4,035万ポンド(66億6,160万円)
・男女シングルス優勝賞金/200万ポンド(3億3,030万円)
・サーフェス/グラス(芝)コート
・TV中継・放送予定/WOWOW、NHK
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