現地8月22日、「ウィンストンセーラム・オープン」(アメリカ・ウィンストンセーラム/ATP250)シングルス1回戦が行われ、ワイルドカード(主催者推薦)で出場の元世界ランク3位のドミニク・ティエム(オーストリア/世界ランク231位)が、J.J.ウルフ(アメリカ/同87位)を3時間9分の激闘の末に6(5)-7、7-5、7-6(6)で破り、2回戦に進出。2時間弱の雨による遅れや、2本のマッチポイントなど苦難を乗り越え、約1年3ヵ月ぶりにハードコートで勝利を挙げた。
【動画】ティエム、下がりながら片手バックハンドのリターンエース!&マッチハイライト
29日に開幕するUSオープンにワイルドカードで出場するティエムは、今季クレーコート大会しか出場しておらず、ハードコート大会は昨年3月のATP500ドバイ大会以来、約1年3ヵ月ぶり。
その前哨戦、ティエムは序盤から決め手に欠け、ウルフの勢いに押されて第1セットを奪われしまう。あとがなくなった第2セットでも先にブレークしたものの、すぐさまブレークバックを許し、嫌な流れが漂った。しかし、セット終盤に2度目のブレークに成功し7-5で奪い返す。
最終セットでは、3-2で雨のため2時間弱の中断。23時半に再開され、第6ゲームで粘ってミスを誘い、ティエムが先にブレークする。だが、このリードを守り切れず直後のサービスゲームでブレークバックを許してしまう。
そのまま突入したタイブレークでは、4-6とマッチポイントを握られ、敗戦寸前まで追い込まれた。しかし、ここで2本のウィナーを放ったティエムが土壇場でミニブレーク。6-6に追いつくと、最後はフォアハンドのパッシングショットを決めて、昨年3月のATP250ドーハ大会以来となるハードコートでの勝利をもぎ取った。
試合が終わったのは深夜0時10分。ティエムは「久しぶりのハードコートでの試合で勝ててうれしいけど、まずは残ってくれたみんなに感謝したい。
「しばらくして(右手首)の痛みも和らいで、とてもいい練習ができて、今日のようなトップレベルの試合をできるようになったのがすべてだよ。幸運にも第3セットのタイブレークで少しレベルを上げることができたし、(7月の)オーストリア・キッツビュールでも雨で同じようなことが起こったけど、今日は運が味方してくれた」と深夜に及ぶ熱戦でメンタル的にもコントロールすることが難しかったとしながらも、紙一重の戦いを制した喜びを表現した。
2回戦でティエムは、第1シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/同19位)と対戦。2017年のATPマスターズ1000マドリード大会で挙げた勝利を最後に3連敗を喫している。昨年の全豪オープン以来、約1年7ヵ月ぶりの対戦はどのような結果となるだろうか。