シナー、世界7位を圧倒し「BNLイタリア国際」初の4強


男子ツアー「BNLイタリア国際」(イタリア・ローマ/ATPマスターズ1000)シングルス準々決勝が現地5月15日に行われ、第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)は、第6シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/同7位)を6-0,6-1で圧倒。同大会で初めての4強入りを果たした。

【動画】シナーが神モードで世界7位ルードを圧倒!好プレーの数々

昨年3月に禁止薬物が検出されたことにより、2月9日から5月4日まで約3ヵ月の出場停止処分を受け入れた23歳のシナー。

母国イタリアでの復帰戦を迎え、初戦となった2回戦でマリアノ・ナボーネ(アルゼンチン/同99位)を6-3,6-4、3回戦でジェスパー・デヨング(オランダ/同93位)を6-4,6-2、4回戦でフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン/同18位)を7-6(2),6-3で下し、8強入りしていた。

準々決勝では、ツアー通算13勝のうち12勝をクレーコートで挙げ、全仏オープンでも2度の準優勝経験のある世界7位のルードと対戦。シナーにとっては難しい相手となったが、攻守にわたってトップ10を圧倒した。

第1セット第1ゲームをラブゲームでブレークすると、角度をつけたサーブ、ストロークでルードをコートの外に追いやり、ラリーの主導権を握る。リターンでは相手の足元へ鋭いボールを放って計3度のブレークに成功。6ゲームを連取し、27分で第1セットを先取する。

第2セットではルードも盛り返したが、勝負所でシナーが強さを発揮。2度のブレークに成功し、最後までチャンスを与えることなく6-1とルードに完勝した。

会見でシナーは、「今日は素晴らしい試合ができた。すべてがうまくいったよ。特に話すこともあんまりないくらいね」と自画自賛。

第2セット第3ゲームでブレークポイントを活かせず、ルードにサービスキープされた時を振り返り、「あの時少しでも集中を欠いていたら流れが大きく変わっていたかもしれない。そこを冷静に処理できたことは良かった」と語った。

シナーにとって今大会初めての準決勝では、第11シードのトミー・ポール(アメリカ/同12位)と対戦。「(準々決勝は)素晴らしいパフォーマンスだったと思う。でも、物事はすぐに変わるもの。明日は別の相手で、ナイトセッション。自分としては常にベストな準備を心がけるだけだ」と気を引き締めた。

一方、敗れたルードは復帰したばかりであるシナーのプレーに脱帽。「僕が対戦してきた中でほぼ完璧に近かった。とにかく彼を称えるしかない。最初の4ゲームではミスをさせられたこともあったけど、それ以外彼のラケットから放たれるボールはすべて時速160キロ超に感じた。本当に素晴らしかった」とお手上げだとした。

前週のATPマスターズ1000マドリードを制しており、さらに得意としているクレーコートでの完敗は、屈辱的にも感じることもあるだろう。だが、本人は意に介していない。

「正直、そこまで辛くはない。負けたけど、なんというか楽しかったという気持ちもあるくらいだよ。彼のプレーを見て『これは次元が違う』と思ったくらいなんだ。目の前でそれを体験できたのは楽しかったとも言える。もちろん、もっと拮抗した試合を見せたかった。ただ、僕の良いショットに対して、彼はさらに良いショットで返してきた。僕はそれをさらに良いショットで返球できなかったんだ。それがすべてさ」と試合を振り返った。

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