ジョコビッチ 史上最多グランドスラム25度目の優勝へ準決勝で世界1位のシナーと対戦


「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン)男子シングルス準々決勝が7月9日に行われ、第6シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク6位)は、第22シードのフラビオ・コボッリ(イタリア/同24位)を6-7(6),6-2,7-5,6-4で下し、同大会14度目のベスト4入りを果たした。

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38歳のジョコビッチは、今年5月に行われた「ジュネーブ・オープン」(スイス・ジュネーブ/ATP250)でツアー通算100度目のタイトルを獲得。
「全仏オープン」(フランス・パリ)では世界1位のヤニック・シナー(イタリア)に敗れてベスト4だった。

20度目の出場となったウィンブルドンは、7度の優勝(2011、2014、2015、2018、2019、2021、2022)を誇り、新型コロナウイルスの影響で実施されなかった2020年大会を除き、2018年から6大会連続で決勝に進出している。

初戦でアレクサンドル・ミュレー(フランス/同41位)を6-1,6-7(7),6-2,6-2で破ると、2回戦でダニエル・エバンズ(イギリス/同154位)を6-3,6-2,6-0、3回戦でミオミール・ケツマノビッチ(セルビア/同49位)を6-3,6-0,6-4、4回戦で第11シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/同11位)を1-6,6-4,6-4,6-4で破って準々決勝に進んだ。

この日はグランドスラムで初めて準々決勝を戦う23歳のコボッリと対戦。第1セットではチャンスを活かせずにタイブレークで落としてしまうが、第2セットでは中盤からラリー戦で主導権を握ってコボッリを押し込む。1-2から5ゲームを連取してセットを奪い返すと、第3セットもコボッリの挽回を振り切って7-5で取り切った。

第4セットではコボッリも気持ちのこもった攻撃的なプレーで巻き返しを図るが、ジョコビッチも壁のような守備で踏みとどまる。互いにサービスキープが続いた4-4の第9ゲーム、ジョコビッチが値千金のブレークに成功。次ゲームではマッチポイントで足を滑らせ転倒し、肝を冷やしたがそのまま6-4。同大会14度目のベスト4入りを決めた。

1セットダウンからの逆転勝ちとなったジョコビッチだが、4回戦と比べるとコボッリを相手にリードを広げることができず。むしろ追い上げに苦しみ、逃げ切った形だ。


「彼(コボッリ)が本当に良いプレーをしていたことに敬意を表したい。正直、驚かされたよ。あそこまでサーブが良いとは思っていなかった。この6か月で大きく成長したと思う。前回の上海(昨年10月)よりかなり良くなっていた。結果がそれを物語っていて、彼は初めてグランドスラムの準々決勝に進んだ。(試合終了後の)ネットで『この調子で進み続けて』と伝えたよ。このままの姿勢を維持できれば、彼の将来は間違いなく明るい」と相手を称えた。

準決勝では第1シードのヤニック・シナー(イタリア/同1位)と対戦する。直近では「全仏オープン」(フランス・パリ)準決勝でストレートの敗戦となっており、2023年末から4連敗となった。

ここウィンブルドンでは勝利しているものの、「自分がどれだけ彼らと互角にやれるか挑戦したい」とチャレンジャーだという。

「全仏オープンの準決勝ではシナーにストレートで負けた。
悪くない試合をしたと思うが彼の方が上だった。そして、またチャンスが巡ってきた。グランドスラムの終盤にいること、いま世界最高の選手たちと対戦すること。彼(シナー)とアルカラスは今の男子テニスをけん引する存在。これ以上の挑戦はない。とても楽しみだし、最高のパフォーマンスを出せるように準備するよ」と意気込みを語った。
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