外務省は4月30日、大麻など違法薬物の密輸に関する注意喚起を公表した。タイで他人から輸送を依頼されたて預かった荷物や、SNSを利用した高額アルバイトで請け負った荷物から、大量の違法薬物(大麻など)が見つかり、海外で拘束される事案が発生している。
外務省は、タイでの事例として以下の2ケースを紹介している。
「海外での高額アルバイト」「簡単に高収入を得ることができる」などを謳い文句にしたアルバイトにSNSやインターネットを通じて応募したところ、「荷物(ブランド品やたばこ等)をタイから英国へ運ぶ仕事」を紹介されたケースを紹介。危険が少なく成功報酬は数十万円などと説明され、航空券やホテル代などを自己負担することなく、全てアルバイト先が手配した。
地に到着後、指示のあったホテルへ向かい、見知らぬ人からスーツケースを預かり、タイから英国へ渡航したところ、英国の荷物検査でそのスーツケースから大量の違法薬物(大麻等)が見つかり、現地当局に拘束された。
タイのバンコクの空港で困っている外国人を助けたところ、御礼として食事に誘われた。その際にいつかヨーロッパの国を旅行したいと話したところ、その外国人から、ベルギーの親戚に会いに行く予定であったが、都合により行けなくなったので、航空券とホテル代を支払うから、自分の親戚に会ってお土産を渡して欲しいと頼まれた。
切心から引き受け、荷物を預かりベルギーへ渡航したところ、ベルギーの荷物検査において、その荷物から大量の違法薬物(大麻等)が見つかり、現地当局に拘束された。
外務省は、(1)について、荷物を届ける最終目的地は特定されておらず、世界中の国々が運び先となっており、犯罪組織の関与が疑われるため、このような求人に安易に応募しないよう注意喚起。アルバイトの応募者は使い捨て要員のため、現地当局に拘束されても犯罪組織は救出しない。当局は「知らなかった」、「聞いていた内容とは違っていた」といった事情があっても、全く考慮されることなく逮捕されると外務省は指摘している。
(2)については、見知らぬ人はもちろんのこと、たとえ知り合いであっても、他人の荷物を安易に運ばないよう呼び掛けている。