タイ東北部ムックダーハーン県ドーンターン郡で4月30日、炭疽菌による感染症で1人が死亡した。同県畜産当局は5月1日、毎年恒例のロケット祭り期間中の3週間、県内の畜産農家に牛の屠殺を禁止すると指示した。
公共放送PBSなど現地メディアによると、畜産当局は同郡で牛とヤギの集団予防接種を開始。地区外への持ち出しを防ぐため、検問所を設置した。同郡のチャクリット郡長は、モンスーンシーズンのブン・バンファイ(ロケット祭り)祭り期間の3週間、牛の屠殺を中止するよう指示した。
また地区病院などに臨時の炭疽菌予防センターを設置。公衆衛生ボランティアは、戸別訪問で炭疽菌を警告。感染の疑いがある人の確認もしている。
チャクリット郡長によると、死亡した人物は4月27日、炭疽菌に感染した牛の牛肉を食べ、すぐに体調を崩して同郡の病院に搬送された。
厚労省によると、炭疽菌による感染症は、炭疽菌に感染した動物や死骸に接触することで発症する。1~7日間の潜伏期のあと、皮膚の異常(皮膚炭疽)、消化器の異常(腸炭疽)や呼吸器の異常(肺炭疽)が起こる。治療しなかった場合、肺炭疽は約90%、腸炭疽は約50%、皮膚炭疽は約20%が死亡する。